人気の最新国産SUV 徹底比較(1/4)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:島村栄二
振り返ってみれば今からすでに10年以上も前。若い人にとってはもはや忘却の彼方となってしまっているかも知れないが、実は日本の自動車シーンが“RVブーム”なるもので沸いた時期があった。Recreational Vehicle=休養・保養のためのクルマ(?)を総じて『RV』と称していたのがその頃だ。
後にはステーション・ワゴンやらミニバンやらと多彩なボディ形態までもを含んで表すようになったこの記号も、当初はもっぱら本格的なオフロード4WDモデルを示すものであったもの。すなわち、三菱パジェロや日産テラノ、そしていすゞのビッグホーンといったクルマたちがその火付け役。いかにも強く逞しく見えるデザインに加え、ラリーレイド競技での活躍なども交えての「こんなクルマならばどんなところにでも出掛けて行けそう」といった“夢”を見させてくれたところが、そんな人気の原動力となったのかも知れない。
一方で、「そうした夢には憧れるが、しかし現実問題としてそうした大きくて重いボディが生み出す取り回し性や燃費の悪さは、自分には受け入れがたい」という人に向けた“オフローダー型の乗用車”が生まれてきたのもその頃だ。1994年に初代モデルが誕生したトヨタRAV4などはその代表格。大きな車輪に高い地上高・・・と見た目は確かにオフローダー風。が、完全モノコック式のボディ構造にエンジン横置きFFレイアウト・ベースの4WDシャシーをドッキングと、ハードウェア上の内容は「そっくり乗用車」と紹介が出来たのがこのモデルでもあった。
そんなRAV4と同様の手法によって生み出される“オフローダー型の乗用車”は、その後冠婚葬祭すべてに使えるオールマイティなパーソナルカーとしてすっかり定着。後にアメリカから入ったSUV=Sport Utility Vehicleなる呼称も耳馴染みとなり現在に至っている。
というわけで、ここでは最新国産SUVの中から、価格的にもサイズ的にも比較的身近なポジションに位置すると目される3車をチョイス。主に“ファミリーカー”としての適正をチェックするカタチでハナシを進めて行く事にしよう。
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