輸入車コンパクトワゴン 徹底比較(2/4)

輸入車コンパクトワゴン 徹底比較
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個性的フォルムをまといストレート6を搭載

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ひと目見てわかるという意味では、BMWは実にキャッチーなクルマである。現行E90型は、このところのBMW車らしく彫刻的なフォルムをまとい、スポーティイメージを前面に押し出してきた。今回の3台の中でも、その個性は際立っている。ワゴンとなってもその印象は変わらない。

ライト類のデザインや各部のプレスラインをすんなりと終わらせず、ひとクセもふたクセもあるものに仕上げているあたり、BMWの新しい方向性が見て取れる。実車を目の前にすると、よけいそれを痛感させられる。E90では、先代のE46と違ってワゴンぽく見せない努力をしたようなフシが見て取れる。

2.5Lのストレート6は今回唯一の自然吸気エンジンであり、最高出力218psを発揮する。今や世界中を探しても直6エンジンは貴重な存在だ。しかし、乗ってみるとやはり「直6って素晴らしい!」と感じさせる味を持っている。BMW自身がこだわる理由と、ユーザーが支持する理由がやはりちゃんとあるわけだ。

E90セダンでは上に3Lもラインアップするが、この2.5Lユニットもなかなか美味しい。低速トルクは十分に確保されており、そこからの吹け上がりはむしろ上。低~中回転域から直6特有の響きをとともにドラマチックな盛り上がりを披露し、トップエンドまで痛快に吹け上がる。 ステアフィールはFRならではのスッキリとしたもの。少し太めで操舵力のやや重いステアリングを介し、路面の状況を正確にドライバーに伝える。M-Sport仕様の足にランフラットタイヤを履くが、不快な硬さをあまり感じさせない。

走りはやはり「駆け抜ける悦び」に満ちている。ワゴンとなっても、その味はまったくもって健在だ。

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ハイクオリティとスタビリティを身上とする

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フルモデルチェンジしたA4は、フォーリングスとともに、シングルフレームグリルという新たなアイデンティティを手に入れた。リアセクションのディテールのデザインもグッと高級感を増した。

全体のフォルムは非常にグラマラスで凝縮感がある。これらにより車格がワンランク上がったように感じられるほど。S-lineのスポーティなフォルムがよくマッチしている。

ところで、A4の売れスジは2L自然吸気のFFモデルと聞いたが、せっかくアウディに乗るからにはクワトロにつきると思う。実際、ハンドリングも全体のスタビリティもクワトロのほうがはるかに上を行く。 さらに上には3.2L V6搭載モデル(255ps/613万円)も控えるが、価格が600万円オーバーとなってしまうことから、今回は2L直噴ターボ搭載モデルの「2.0TFSI」(200ps)を取り上げた。

同エンジンは先日、「インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー」において、該当部門で1位を獲得したという鳴り物入り。ここはひとつ積極的にプッシュしたいと思う。

ただし、電制スロットルの開き方や、ブレーキタッチの初期のゲインが高く、ステアフィールが軽いわりにフリクションを感じさせる点などが少々気になった。これら運転操作に直接的に関わるインターフェイスに過剰演出が見受けられ、結果としてスムーズな運転がしにくくなっているのだ。

とはいえ全体の走り味はまぎれもなくアウディ。いかなる条件下でも安心してハイペースを維持できるという意味では抜群だ。それだけに前述の要素がよけいに惜しまれる。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

5気筒ターボエンジン搭載のスポーツエステート

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フォードとのアライアンスにより、フォード・フォーカスおよびC-MAX、マツダ・アテンザなどと共通のプラットフォームをもとに、ボルボが独自にチューニングしたものが用いられる。つまり、他のボルボ車とは成り立ちがまったく異なる。

ボルボといえば「安全」のイメージが大きいが、優れたプラットフォームをベースに、ボルボ独自の安全技術が惜しみなく投入されているという。

エクステリアはかつてのボルボ車とは異なり、意外と丸みを帯びたフォルムとなっている。装着タイヤのサイズが今回の3台の中ではもっとも小さく、またAWD車はFF車よりも微妙に車高が高いため、フェンダーとタイヤの隙間がちょっと気になってしまう。

T-5はスポーティモデルの筆頭で、220psを誇るボルボ屈指の高性能2.5Lターボエンジンを搭載する。こちらもややオーバーゲイン気味のスロットルの開き方を示す点が気になるが、ブーストが瞬時にレスポンスよく立ち上がり、従来のハイプレッシャーターボのような気難しさは見られない。5気筒エンジンは独特のビート感をともないつつ、頼もしい力感を披露する。

ハンドリングはニュートラルかつ高い回頭性を示し、このプラットフォームの素性のよさを感じさせる。これまでスポーティ系のボルボというと過激すぎる印象があったが、V50についてはそこそこまとまりがよい。上級のボルボ車がどちらかというとアメ車のような乗り味を見せるのに対し、V50はヨーロッパ車のテイストに仕上がっている。長い5気筒エンジンを横置きに搭載しつつも、ハンドル切れ角を十分に確保している点も評価したい。日本で乗ることを考えると、ボルボ車の中でベストな選択といえるほどだ。

さらに、先進の電子制御AWDシステムを搭載し、全天候下でのハイパフォーマンスと安定した走行を実現している点も魅力である。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

デザイン・スペックの総評

見た目も走り味も、それぞれのモデルが、それぞれに期待される味をしっかりと備えている。エンジンはBMWが唯一の自然吸気エンジン、その他はターボで、駆動方式はBMWがFR、その他がAWDだが、価格設定はBMWがダントツで高い。それでもパッと見のわかりやすさやステータス度でいうとBMWが一枚上を行くという印象。それぞれスポーティであることを前提に、さらにひとことで表現すると、BMW=官能的、アウディ=質実剛健、ボルボ=安全 という印象。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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