コンパクトカー 徹底比較(2/4)

コンパクトカー 徹底比較
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ボディサイズが大きく走りはスポーティに

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2005年の初めに2代目に進化した現行ヴィッツは、初代の大ヒットを受けて、個性的なデザインを受け継ぎつつ、大幅にボディサイズを拡大して登場した。

初代よりもエッジを効かせ、彫りの深い抑揚を持たせたエクステリアとなり、ベーシックカーでありながら高いクオリティを感じさせる。実にチャレンジングだ。

ドライブフィール全般はそつなくまとまっている。ややリアの足まわりを硬めとして、キビキビ感を演出している。おかげでリアのスタビリティが高く、よく粘ってブレイクしにくい。コーナリング時のロールの姿勢も安定している。乗り心地を最重視することの多いトヨタとしては意外な仕上がりで、それほど不快なレベルではないが、少々の突き上げ感を覚える。

電動パワステのフィーリングは、操舵力が軽く素直な印象。もう少し据わり感や接地感があると、より好ましい。

4気筒となる1.3Lエンジンは、静粛性もまずまず。3気筒の1Lエンジン車では、かなり騒々しい印象があったが、こちらはそれほどでもない。

動力性能は、CVTの制御によるものと思われるが、燃費を重視したことをうかがわせる設定で、踏み込んだときには、もう少し加速して欲しいと感じさせる過渡特性となっている。

それは1.5LのCVT車でも同様で、体感的には1.3Lとそれほど変わるものではない。その意味では、スポーティなRS以外を選ぶのであれば、1.3Lモデルで十分といっていいだろう。

また、トヨタ車というとCVTのいたらなさを指摘したくなることが多いところだが、ヴィッツについては、それほど悪い点が気にならない。このクラスの出力と車重の組み合わせであれば、キャパシティの範囲内なのだろう。

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独特のデザインと大幅に向上した走り

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まるでパイクカーのような非常にユニークなエクステリアデザインは、現行マーチのアイデンティティである。

それほど大きなボディではない印象を受けるが、キャビン部分が絞り込まれており、実際のボディサイズは意外と大きい。「大きくなった」といわれるヴィッツとも、それほど変わらない。

外見に惑わされてしまいがちだが、クルマとしてはオーソドックスにまとまっている。

ドライブフィールは2005年のマイナーチェンジで大幅に改良された。マイナーチェンジ前のマーチは、確かにあまりよろしくない点が目立ったものだが、改良後のモデルは積極的に良さを挙げられるほど洗練されている。

最大の違いはステアリングフィールにある。「止める制御」が進化したとのことで、従来モデルの頼りなさとは比較にならないくらい洗練され、悪癖のイナーシャを感じさせないものとなった。

足まわりも進化し、接地感とスタビリティが向上した。比較的ロールを許容しつつ、ロールが深くなると途中で止めるような設定になっているが、街中を快適にスイスイと流すには適している。

ヴィッツやフィットよりもはるかにソフトな乗り心地でありながら、そこそこ高いスタビリティを実現しているところも評価したい。

また、マーチで限界走行をする人もいないと思うが、タックシンを駆使してテールスライドさせたとき、テールがゆるやかに流れて、コントロールしやすく、楽しめるハンドリングとなっている。

CVTの完成度もまずまずだ。エンジン出力がそれほど高いわけでもないが、アクセルペダルを踏んだときにはグンとトルク感のある加速する感覚の特性を示し、リニアで扱いやすい。

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いかにも中が広そうに見えるスタイル

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ホンダ自身も驚くほどのロングセラーとなっているフィット。エクステリアデザインに新しさは最初から感じさせないものの、これだけの売れ行きを続ける理由はどこにあるのか? それは、コンパクトながら視覚的に中が広そうに見え、そして実際に広いことが最大の要因だろう。

また、背がけっこう高いのに、あまりそれを感じさせないところもいい。ホンダ車がおしなべてそうであるように、ボディパネルの造形はシンプルなものだが、フィットは、ヴィッツやマーチとは別の意味で、しっかりアイデンティティを確立したと思える。

走り味にはキビキビ感があり、運転する楽しさを感じさせるものとなっている。ロールは比較的よく抑えられていて、背の高いクルマながら不安感は小さい。

ハンドリング特性は意外とアンダーステアで、キビキビした印象とは裏腹といえる。これは決して悪いことではなく、少し背が高めでホイールベースやトレッドの小さいフィットのようなクルマにとって、予防安全性能を高める上では有効といえるだろう。

加速性能については、エンジンは排気量のわりに元気がよく、CVTもリニアな制御を行なう。ただし、踏み込んだ直後には少々の飛び出し感をともない、加速感がリニアになる前に空走する感じがあり、スムーズな運転がしにくい面はある。

全体的に、さすがに古さが感じられるようになってきたのは否めない。

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デザイン・コンパクトの総評

コンパクトカーも、没個性ではユーザーから見向いてもらえない時代となった感がある。そんな中で各メーカーは、様々なアプローチをもって展開しているが、ヴィッツやマーチは、誰の目にもわかる個性的なデザインを採用することで鮮明にキャラクターを立てた。一方のフィットは、デザインテイストとしてはプレーンそのものだが、なぜか華がある印象。走りについては、いずれもコンパクトカーらしいキビキビ感を味わえる中で、マーチは乗り心地がよく、しっとりと落ち着いた印象をも併せ持っているように感じられた。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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