国産V8サルーン 徹底比較(2/4)

国産V8サルーン 徹底比較
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シンプルな中で高級感を演出するレクサス中堅機種

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エクステリアデザインは、プレミアムブランドを謳うレクサスの中堅機種ではあるが、あらためて見ると意外とシンプルでスッキリしているという印象。

なお、8月の一部改良でGS450hと同じ「プレミアムライトブルー」のボディーカラーが追加された。

全高もそれほど高くなく、前後端にかけて絞り込まれているので、実寸からすると小さく見える。

ボンネットからAピラー、ルーフ、Cピラーにかけて、なだらかな弧を描き、居住スペースの確保もさることながら、デザインを重視してまとめられた印象を受ける。

また、GSでは18インチタイヤがメインであり、フーガの19インチよりもホイール径が小さいのだが、ボディサイドに水平にキャラクターラインを入れることでボディを薄く見せ、ホイールを小さく見せないよう配慮していることがうかがえる。

エンジンは比較的高回転型のキャラクターで、低中速域のトルク感よりも、むしろ高回転域での吹け上がりが印象的。排気量によるトルクの厚さよりも、どちらかというと回して楽しい味付けだ。レッドゾーンは6400回転からとなる。

後述するマジェスタと比べると、同じエンジンを搭載し、制御内容も異なるはずだが、タイヤの違いからか、走行抵抗による出足の鈍さを感じる。

サウンドは、いわゆるV8サウンドとは少々異なり、現代的で緻密な印象があるものだ。テイストよりも性能のためのV8といったところだろう。音量はかなり抑えられており、静粛性は高い。電制スロットルのゲインが控えめにしつけられていて、飛び出し感も小さく、それほど違和感がないところもいい。

ハンドリングはドイツ車を強く意識したことがうかがえる味付けで、スタビリティと操縦安定性をハイレベルに実現している。ただし、一部改良で標準装備されたNAVI・AI-AVSは、コーナリング時に意に反して足まわりが突っ張った感覚となり、やや違和感が残る。もう少し洗練されることを望みたい。

ランフラットタイヤを履くが、タイヤ自体が以前よりもこなれてきたようで、乗り心地はそれほど悪くない。

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あくまでドライバーズカーであることをアピール

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アメリカ市場を強く意識したモデルらしく、全体的にきらびやかで華があるエクステリアとなっている。

現代のセダンらしいラウンドしたサイドシルエットに加え、フーガの場合は車高を高く設定するとともに、かなりハイデッキとし、さらにGSのような前後の絞り込みもあまりないせいか、実際のボディサイズ以上に大きく見える。

19インチホイールを履くものの、それでも見た目のバランスとしてはホイールが小さく見えるほどだ。なお、フロントフェンダー上端を張り出しているのは、車両感覚をつかみやすくするためという。

ちなみに、350GTとの外観上の差異は、リアバンパーの形状が若干異なることと、マフラーが4本出しになることなどが挙げられる。

エンジンフィールは、往年の日産ファンの期待にそぐう“男らしい”ものだ。4.5Lの排気量を持つエンジンらしいトルク感とともに、いかにもV8らしい響きを味わえる。ひとたび踏み込むと、蹴飛ばされたように加速してくれる。レッドゾーンは6700回転からとなる。

トヨタのV8のほうが洗練度や緻密さでは上だが、個人的にはフーガのほうが好み。フーガに乗るとGSがジェントルに思えてくるほどだ。

シフトダウン時に自動的にブリッピングを行なうシンクロレブコントロールを備える点も特徴である。

また、今回の中でフーガのみが油圧パワステを装備するが、トヨタの2台に乗っているときはあまり気にならなかったものの、やはりフーガのほうがステアリングフィールがリニアで好みである。ただし、リアアクティブステアについてはやや違和感を感じる部分もある。

足まわりは引き締まったテイストで、あえて振幅を小さくし、あまりストロークさせていないようだ。乗り心地としてはけっこう硬めの印象で、突き上げ感もある。このあたり、あくまでドライバーズカーとしての性格を追求しているようだ。

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和風テイストのわかりやすい高級感

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クラウンの上級モデルであり、トヨタブランドのトップに位置づけられたマジェスタは、パッと見でも実にわかりやすい高級感がある。

GSやフーガが北米でも販売されるため、それを意識したデザインとしているのに対し、マジェスタは基本的に国内専用モデル。それゆえ日本の年配層が好みそうなデザインテイストでまとめられている。それは往年のアメリカ車に通じるものもある。

また、各部にわかりやすくメッキをあしらい、トランクリッドを別体風に見せる処理を施すなど、現代のトレンドを巧みに採り入れているのもわかる。

乗り心地は非常にソフトで、GSやフーガとは別の種類のクルマとして仕上げられていることがわかる。

マイナーチェンジ前のモデルでは、やや硬さ感があったが、現行モデルは文句のつけようのないソフトで快適な乗り心地となっている。ただし、それなりにロールは許容する。

昨今、スタビリティを追求しすぎてか、乗り心地の硬い国産車が多くなっているが、そんな中、マジェスタのような乗り味を望んでいる人も多いはず。これはこれで大いに歓迎したい。静粛性も驚くほど優れていて、GSやフーガとは異質の居住空間を実現している。

走りは極めて滑らかだ。同じエンジンを積むGSと比べても、マジェスタのほうがクルマが軽く感じられる。 ステアリングフィールはスローで、気難しいところは何もない。

気になる点をしいていうと、電子制御ブレーキが、ある程度踏力をかけたブレーキングでは問題ないものの、薄いブレーキングをした際に、イメージよりも強く減速Gが立ち上がってしまう点ぐらいだろう。

マジェスタは日本専用車で、しかも年配ユーザーがメインということで、このような仕上がりには実に共感できる。走りを追求した車種は他にいくらでもあることだし、マジェスタの存在ががぜん際立ってくる。

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デザイン・スペックの総評

GSとフーガはライバル関係にあり、マジェスタは独自の路線を歩むモデル。走行性能については、GSとフーガはドイツ車を範にとったことが容易に想像できるまとめ方となっている。ただし、高級なハイパフォーマンスセダンではあるが、仮にもセダンであり、どちらも乗り心地がもう少しソフトでもいいような気がしないでもない。一方のマジェスタは、ひたすら快適性に磨きをかけている。「V8らしさ」という点ではフーガが際立つ印象。加速感、サウンド、質感など、V8の醍醐味を存分に味わわせてくれる。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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