欧米ユニークカー 徹底比較(4/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
ユニークなルックスに深まる洗練度
現在、回帰ムードが盛り上がりを見せるアメリカ車の火付け役的な存在でもある。
見てのとおりクラシカルでユニークなルックスであり、基本的にデザインを楽しむためのクルマであるが、このスタイリング自体が、スペース効率に優れるデザインであるため、結果的に実用性はかなり高くなっている。昨今の空力優先のフォルムよりも合理的のように思えるほどである。
登場から時間が経過し、マイナーチェンジを経て、クルマとしての完成度もかなり高まった。その点でもPTクルーザーの商品力は高い。
価格的には内容を考えると妥当ではあるが、欲をいうともう少し安いといいのではと思わされなくもない。そして、日本でもニュービートルほどのキャラクター性を立たせるには、もう少し日本でも台数が増えることが必要だと思えるのだ。
なお、PTクルーザーにはカブリオレもラインアップされている。
かつてないカーライフを楽しめそう
プジョーというブランド自体が、日本市場でも確固たるポジションを得た経緯がある。
日本ではその末弟に位置付けられ、新世代のプジョーでもある1007は、非常にコンパクトなサイズながら、どこから見てもプジョーのクルマであり、かなり目立つ。出たての207や、プジョー以外の欧州コンパクトカーよりも、はるかにユニークなクルマである。
価格も現実的で、好みであれば購入することは誰でも可能だろう。かつてないカーライフを楽しませてくれそうな雰囲気もあり、実際その通りであるのではないか。
惜しまれるのは、もう少しスムーズに走って欲しい点にある。これならば通常のATかMTのほうがまだいいのではと思えてしまう。どうもストレスを感じてしまうのだ。
ユニークながら「外した印象」がない
ニュービートルは、どちらかというと男性よりも女性が似合う。さらにカブリオレとなると、一層そのイメージが強くなるように思える。キャラクター性の際立つモデルであり、そこに期待すれば、間違いなくその期待に応えてくれるであろう1台である。
そして、スポーツカーベースではない気軽に付き合えるオープンカーとして、また4人が乗れるオープンカーとして捉えても、ニュービートル・カブリオレは実に魅力ある1台。ユニークなクルマでありながらも、決して「外した」印象のしない選択といえよう。
ちなみに、装備などでクローズドモデルとの完全な横並びの比較はできないが、価格差は約60万円たらず。それなりに大きいわけではあるが、得られるカーライフを考えると、クローズドモデルよりも、価格差を超えたバリューがあるようにも思えてしまう。
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