【比較】SLK・Z4・フェアレディZロードスターを徹底比較 ~ロングドライブも快適な上級オープンモデル~(4/4)

【比較】SLK・Z4・フェアレディZロードスターを徹底比較 ~ロングドライブも快適な上級オープンモデル~
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上質な移動のツールとしての実用性を備え6速MTによって運転の楽しさも満喫

メルセデス・ベンツ SLK200 MTメルセデス・ベンツ SLK200 MT

メルセデス・ベンツ SLK200 MTは直列4気筒1.8リッターのターボを搭載し、動力性能はノーマルエンジンでいえば2.5リッタークラス。力強くはないが性能的には十分だ。1500回転以下では少し駆動力が下がるが、クラッチ操作に気を使うことはない。3000回転を超えると吹き上がりも活発になり、スポーツカーらしい加速も楽しめる。

運転感覚は、前述の内外装と同様、スポーツカーである以前にメルセデス・ベンツだ。小さな舵角から機敏に向きを変える印象はなく、操舵感はCクラスやEクラスに似ている。分かりやすい「スポーツカーらしさ」を求めると、物足りないかも知れない。

その代わり、危険を回避する時を含めて、後輪が踏ん張って走行安定性は高い。動力性能との関係を含め、バランスを重視して開発されている。

感心したのが乗り心地だ。試乗車は18インチタイヤを履いていたが、オープンボディとの組み合わせでも硬さを感じない。路面上のデコボコを乗り越えてもショックを伝えにくく、サスペンションがしなやかに動いていた。

優れた走行安定性にも当てはまる話だが、ボディをしっかりと造り込んだ結果だろう。このあたりもスポーツカーである以前にメルセデス・ベンツだと感じる。

使い方としては、上質な移動のツールに相応しい。全幅はワイドだが、全長は短いから街中でも運転がしやすい。優れた直進安定性と快適な乗り心地により、長距離も安全かつ快適に移動できる。2名乗車では荷物を積みにくいが、1名乗車なら不満はない。

そして6速MTは、上質なツールの中に、操る楽しさを注いでくれる。この絶妙なバランスは魅力的だ。

高出力エンジンとBMWならではの正確な運転感覚が絶妙な走りの楽しさを生み出す

BMW Z4 sドライブ 35isBMW Z4 sドライブ 35is

BMW Z4 sドライブ35isの動力性能は力強い。直列6気筒の3リッターエンジンにターボを装着したから当然だが、ノーマルエンジンでいえば4.5リッタークラスだ。

しかも最大トルクの45.9kg-mを1500回転で発生させるから、実用回転域の駆動力も余裕タップリ。素早くアクセルを踏み込んだ時は、オーバーブースト機能で51kg-mを発揮させることも可能で、V型8気筒の5リッターエンジンに匹敵する加速も味わえる。

排気音もチューニングされて威勢が良く、エンジン関連は馴染みのあるBMW 3シリーズなどとは趣が違う。アメリカのスポーツカー風というか、BMWとしては少しハメをはずした感覚が面白い。

しかし、操舵感はBMWそのものだ。小さな舵角から正確に反応して、几帳面な設定ともいえるだろう。

ここに前述のトルクを高めたエンジンが加わると、かなり楽しい運転感覚になる。後輪を少し横滑り気味に曲がる時など、操舵感が正確で、ドライバーが後輪に近い位置に座るから挙動の変化も分かりやすい。高出力のスポーツカーなのに、不安を感じにくい。

ただし、試乗車は19インチタイヤを装着しており、乗り心地はけっこう硬い。18インチと比較して選びたい。

走りの楽しさに向けた間口の広さは、BMWならではだろう。動力性能やエンジン音は少々異質に感じるが、総合的にはスポーツカーである以前にBMWだ。

かつてスポーツカーを所有した経験があり、今はBMWのセダンの乗るベテランのユーザーが、気分を変えるために代替えする対象には最適だと思う。大人の女性を思わせる美しい外観を含めて、若返りの秘薬にもなり得るのではないか。

V6の3.7リッターエンジンによる豪快な運転感覚とオープンドライブの融合が魅力的

日産 フェアレディZロードスター 3.7 バージョン ST日産 フェアレディZロードスター 3.7 バージョン ST

フェアレディZロードスター バージョンSTの動力性能は猛々しい。ターボなどの過給器を備えないV型6気筒の3.7リッターエンジンとあって、幅広い回転域で高い駆動力を発揮する。発進直後の1600回転付近でも十分に粘り、5000回転を超えた領域の吹き上がりも活発だ。SLKやZ4とは違うノーマルエンジンの味わいがある。

少し気になるのが操舵感。大きな舵角でゆっくり曲がると、自動的には戻らず逆に切れ込んで行く傾向がある。ハンドルは戻す時もドライバーが行うのが基本だから、操作上は問題ないが、違和感を抱く場面があった。

操舵に対する反応は、Lサイズのボディを考えれば機敏な部類。大柄な割に車両の向きを変えやすい。後輪の接地性も相応に高く、バランスは悪くない。

乗り心地は硬い。試乗車が19インチタイヤを履いていたこともあるが、粗さを感じた。以前のフェアレディZよりは上質だが、欧州車と乗り比べると、もう少しフラットな感覚が欲しくなる。オープンモデルでも、フロント側のマド枠がしなったり、ボディのヨジレを感じることはほとんどなかった。

それにしても、メルセデス・ベンツ SLK200 MTが493万円、Z4で最廉価になるsドライブ20iが499万円という価格を踏まえると、V6の3.7リッターを積んだフェアレディZロードスターが438.9万円から買えるのは、割安ではあるだろう。乗り心地は少し粗削りだが、加速感やデザインは大排気量スポーツらしく豪快だ。

SLKは上質な移動のツールで、運転の楽しさも併せ持つ。Z4はBMWの正確な運転感覚を前提にしながら、エンジンの選択次第ではダイナミックな走りも味わえる。フェアレディZロードスターはブランド性を抜きにした古典的なスポーツカーらしさが魅力だ。クルマ好きにとって、楽しい時代はまだ続いている。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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