【比較】SLK・Z4・フェアレディZロードスターを徹底比較 ~ロングドライブも快適な上級オープンモデル~(3/4)

【比較】SLK・Z4・フェアレディZロードスターを徹底比較 ~ロングドライブも快適な上級オープンモデル~
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車内はスポーツカーらしいタイトな印象だが細部まで上質に仕上げている

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インパネのデザインは、ほかのメルセデス・ベンツとの共通性も感じさせる。水平基調のデザインで、エアコンの操作パネルなどは同じテイストだ。それでも大径のスピードメーター、少し高い位置に装着されたシフトレバーなどは、スポーツカーらしい印象に仕上げた。

インパネ周辺の造り込みは、メルセデス・ベンツらしく上質だ。その一方で適度な囲まれ感も伴い、スポーツカーの雰囲気を感じさせる。

試乗車は6速MT仕様。シフトレバーはストローク(前後左右に動く範囲)が小さく抑えられ、小気味よく操作できる。クラッチのストロークはもう少し抑えた方がスポーティーだと思うが、このあたりは好みの問題。大きめのストロークの方が、ゆったりと操作できて扱いやすいと感じるユーザーもいる。

シートは着座位置が低めで、スポーツカーの運転姿勢になる。サイドサポートの張り出しも適度で、体のホールド性も申し分ない。座面は少し硬めに仕上げられ、体が深く沈むタイプではないが、硬さはあまり感じさせず相応のボリュームが伴う。

ルーフはバリオルーフと呼ばれる電動開閉式のハードトップ。スイッチ操作によってトランクスペースのフードが自動的に持ち上がり、ハードトップが折れ曲がって畳み込まれる。手軽にオープンドライブが楽しめて、閉めた状態の快適性は固定式ルーフを持つクーペと同等だ。セキュリティ面の点でも安心感が高い。

なお、SLKにはミリ波レーダーとカメラを使った自動ブレーキを伴うレーダーセーフティパッケージが用意される。ただしSLK200 MTとSLK200トレンドには装着できない。設定の拡大を望みたい。

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インパネなどはBMWらしいデザインにスポーツカーの囲まれ感を融合

BMW Z4 sドライブ 35isBMW Z4 sドライブ 35is

メルセデス・ベンツ SLKと同じように、Z4のインパネも、ほかのBMW車との共通性を感じさせる。エアコンのスイッチは横長のデザインで、シンプルに配置されていて、操作性は良い。メーターは大径のデザインで見やすい。運転席全体の雰囲気は、スポーツカーらしく囲まれ感を強めている。

シートはしっかりと体をサポートする感覚が強い。体が座面に適度に沈み、BMWのセダンから代替えしても馴染みやすいだろう。

トランスミッションは2組のクラッチを備えた7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)と呼ばれるAT。ATレバーは短く抑えられ、最初は使いにくく感じるが、慣れれば問題はないと思う。ハンドルにはパドルシフトも装着され、通常の変速操作はATレバーに頼らなくても済む。

ルーフは電動開閉式のハードトップ。アルミニウム製で軽量化も図った。時速40km以下であれば走行中の開閉も可能で、開く時の所要時間は約22秒、閉じる時は19秒とされている。

安全装備については、今のところミリ波レーダーやカメラを用いた自動ブレーキの作動を伴う衝突回避の支援機能は設定されていない。横滑り防止装置やエアバッグ、横転時に備えたロールオーバープロテクションの対策は行われている。フロントピラーを強化して、ヘッドレストの後部にも保護部材が備わり、乗員を保護する仕組みだ。

このほか快適装備ではHDDナビなども装着され、実用面では十分な機能が備わっている。

BMW Z4 sドライブ 35isBMW Z4 sドライブ 35isBMW Z4 sドライブ 35isBMW Z4 sドライブ 35isBMW Z4 sドライブ 35is
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ほかの日産車とは違うフェアレディZならではのスポーツ感覚を追求

日産 フェアレディZロードスター 3.7 バージョン ST日産 フェアレディZロードスター 3.7 バージョン ST

SLKとZ4の内装には、セダンを含めたほかの車種との共通性を見い出せる。しかしフェアレディZは、ほかの日産車とはデザインがまったく違う。良し悪しの話ではなく、車種のラインナップがドイツ車と違ってシリーズ化されていないからだ。

表現を変えれば、フェアレディZは車種の伝統は受け継ぐものの、「日産車としての持ち味」に縛られない。スポーツカーらしさを思い切り強調できる。

それを具現化したのがインパネだろう。大径のメーターは、ハンドルの内側に収まって見えるように配置した。インパネ中央の最上部には、左からデジタル時計/電圧計/油温計が並び、スポーツカーらしさを盛り上げる。

サイドウインドーの下端はかなり高く、側方と後方の視界が悪い。取りまわしには注意が必要だが、ボディにガッチリと守れた囲まれた感覚は強い。

運転席は、着座位置の上下調節機能に不満がある。バックレストは固定され、座面だけが上下する簡易型だから、下げた時に隙間ができる。開発者は「室内高が低く、シート全体を上下する機能を装着できなかった」と言うが、上級スポーツカーのフェアレディZには似合わない。シートは運転の基本となる機能だから、なおさらだ。座面のボリューム感も、もう少し増して欲しいが、体のサポート性は優れている。

ソフトトップは電動開閉式で操作性は良い。SLKやZ4のハードトップに比べてセキュリティ面での心配は伴うが、ロードスターとしての情緒は濃厚だ。個人的にはソフトトップこそ、オープンモデルの本道だと思う。

衝突回避の支援機能は用意されていないが、ドアマウント方式のカーテンエアバッグは安心感を高めてくれる。

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内装・装備の総評

SLKとZ4の内装は、メルセデス・ベンツとBMWのブランド性を踏まえて、統一の取れたデザインに仕上げている。そのために良くいえば機能的、逆の見方をすればスポーツカーの特別な感覚が乏しい。メルセデス・ベンツやBMWのファンに向けて開発されたスポーツカーという印象も受ける。

フェアレディZロードスターは逆のパターンで、日産車の統一性は感じられない。その代わりフェアレディZの伝統は受け継ぎ、スポーツカーらしさを追求した。メーターがズラリと並ぶインパネは、古典的ではあるがスポーツカーの定番だ。

どちらが良いかは趣味の問題だが、単純に選択肢の広さを考えると、日本のユーザーは恵まれていると思う。フェアレディZやスカイラインから、ミニバンのセレナ、軽自動車のデイズまで選べるからだ。「メーカーの個性や主張はないのか!?」といえばその通りだが、多種多様のクルマを手軽に購入できるメリットは大きい。

だからこそ、メルセデス・ベンツやBMWといった輸入車の魅力も根強い。日本車とは違う、ブランド性を重視したクルマ造りを味わえるからだ。今回取り上げた3車では、輸入車と日本車の違いが端的に分かる。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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