フォーカス・ゴルフ・308を徹底比較 -オシャレで楽しい!欧州実用派5ドアハッチバック-(4/4)

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フォーカス・ゴルフ・308を徹底比較 -オシャレで楽しい!欧州実用派5ドアハッチバック-
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フォーカスは5ドアハッチバックの世界を広げる奥の深い運転感覚が魅力だ

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エンジンは自然吸気の2リッター。JC08モード燃費は12km/Lだが、ドライバーの感覚と合致した自然な加速感が魅力だ。実用回転域の駆動力に余裕を持たせつつ、4200回転付近から速度の上昇が活発化する。小排気量ターボにも違和感はないが、自然吸気は味わいが違う。ドライバーのアクセル操作に、エンジンが忠実に反応するからだ。

操舵感は奥が深い。コーナーの手前で減速してハンドルを切り込むと、車両の前側が自然に下がり、確実かつ滑らかに内側へ向きを変える。その後も外側の前輪に荷重がしっかり乗っている感覚で、コーナリングのプロセスがキレイに進む。少し積極的に走っても、旋回軌跡を拡大させにくい。

旋回中にアクセルを閉じるなど不用意な操作をすれば、後輪の接地性が若干削がれる傾向はあるが、挙動の変化が穏やかに進むからコントロールしやすい。

というか、自分で操る領域を拡大したいドライバーには、この足まわりと操舵感は歓迎されるだろう。運転操作に基づく挙動変化の自由度が大きく、イメージ通りの走りを実現させやすいからだ。

その一方で乗り心地は快適。タイヤは17インチ(215/50R17)のミシュラン・プライマシーLCを履く。硬そうに思えるが、足まわりの伸縮性が優れ、街中を低速で走る時も粗さを感じない。

最初は「今どき2リッターの自然吸気エンジンなの?」と思ったが、運転するとフォーカスの大切な持ち味だと気付いた。コーナリング時の自然で滑らかな運転感覚には、ターボを装着しない自然吸気エンジンが似合う。

となれば馴染みの薄い欧州フォードのブランドも魅力だろう。奥の深い玄人受けするクルマだから、ポピュラーなブランドより、日本では「知る人ぞ知る」的な欧州フォードがピッタリだ。

ゴルフは優れた走行安定性と充実の安全装備により安心して使える上質な日常生活のツール

フォルクスワーゲン ゴルフフォルクスワーゲン ゴルフ

試乗したコンフォートラインのエンジンは1.2リッターのターボ。動力性能は先代型とほぼ同じで、ノーマルエンジンでいえば1.8リッター並みだ。車両重量が1240kgでは力不足が懸念されるが、DSGと呼ばれるツインクラッチを用いた7速ATの効果により、動力性能の不満はない。4000回転を超えた領域の吹き上がりも活発。変速ショックも気にならず扱いやすい。

7代目ゴルフで興味深いのはリアサスペンション。1.4リッターが4リンクの独立式、1.2リッターはトレーリングアームの車軸式となる。軽量化に配慮した結果だが、車軸式でも走行安定性の不満はない。タイヤサイズの違いもあって、1.4リッターのハイラインに比べると車両の向きの変わり方は穏やかだが、バランスは取れている。

機敏に曲がりたいスポーツ派のユーザーは物足りないと思うが、リラックスして運転できる。後輪がしっかりと接地するタイプだから、直進時を含めて安心感が高い。

タイヤは16インチ(205/55R16)のミシュラン・エナジーセーバー。乗り心地は、街中では少し硬めに感じる場面もあるが、突き上げ感は抑えられ、時速50~60kmに達すると快適になる。

このあたりの運転感覚は、外観や内装のデザインと同様、先代型の路線を踏襲している。代替えユーザーには、馴染みやすくて歓迎されるだろう。

そして7代目の魅力は、衝突回避の支援機能など安全装備を充実させたこと。優れた走行安定性と相まって、安心感をさらに高める。269万円の価格も大きな魅力だ。

「楽しい、面白い」と感じさせるクルマではないが、逆にいえば、過度な刺激もないからごく自然に運転できる。4代目からゴルフはボディの拡大を開始したが、「入念に造り込まれた日常生活のツール」という持ち味は、初代モデルから貫かれている。

308はオシャレな内外装と余裕のある動力性能でプレミアム感覚を強めた

プジョー308プジョー308

ターボを装着した1.6リッターエンジンは、最高出力が156馬力(6000回転)、最大トルクは24.5kg-m(1400~3500回転)に達する。実用回転域で2.5リッターのノーマルエンジン並みの駆動力を発揮するから、加速が力強い。巡航状態から軽くアクセルを踏み増すだけで、違和感なく速度を上昇させ、高回転域の吹き上がりも良い。ターボの存在をあまり意識せずに運転できる。

ハンドルは意外に重く、操舵力はフォーカスやゴルフを上まわる。駐車場ではもう少し軽くして欲しいと感じたが、直進時にはむしろ安心できる。車両の動きは軽快で、プジョーの持ち味が感じられた。

乗り心地は少し硬めだ。もともとプジョー車には、乗り心地がドイツ車風というか硬めの車種が多かったが、もう少し柔軟にしても良いだろう。タイヤは17インチ(225/45R17)のコンチ・スポーツコンタクト3。車両の性格を考えると、プレミアムコンタクトの方が合っている(ただし日本で買えるプレミアムコンタクトにこの17インチサイズはない)。

今回試乗した3車の中でとらえると、308は内外装と少し背の高いボディによって快適性が優れ、余裕のある動力性能でプレミアム感覚も強い。乗り心地が柔軟になれば、Lサイズセダン的な性格も持たせられる。

この308の対極に位置するのがフォーカス。内外装ともにスポーティ感覚が濃厚で、走りの面ではドライバーのコントロール領域が広い。滑らかに速く走らせることが可能で、大人のスポーツハッチという乗り味だ。

そしてゴルフは、プレミアムでも、スポーティでもない上質な移動のツール。ほかの2車ほど趣味性は強くないが、幅広いユーザーに推奨できる。

フォーカスの投入もあって、5ドアハッチバックの輸入車はますます選びがいのあるジャンルになった。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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