決定版!魅力的なドイツセダン3台 徹底比較(4/4)

決定版!魅力的なドイツセダン3台 徹底比較
BMW 328i BMW 328i BMW 328i BMW 328i BMW 328i BMW 328i BMW 328i BMW 328i BMW 328i BMW 328i BMW 328i 画像ギャラリーはこちら

セダンとしての実用性を高めながら、ダイレクトな運転感覚などBMWらしい走りの楽しさを満喫できる

BMW 328iBMW 328i

3シリーズの一番の特徴は、従来型と同様、ドライバーの操作に対して忠実に走るダイレクトな運転感覚にある。小さな舵角から正確に反応し、優れた重量配分と相まって車両を確実に回り込ませることが可能だ。旋回軌跡を拡大させにくく、峠道なども楽しく走れる。

その一方で、ホイールベースの拡大も奏効し、現行型では走行安定性をさらに高めた。セダンとしては良く曲がる性格だが、後輪の接地性も高く、万一の時には比較的早いタイミングで横滑り防止装置が働く。運転の楽しさを目的に、作動を遅らせた設定ではない。

328iスポーツには18インチタイヤ(グッドイヤー・エフィシェント・グリップP)が装着され、乗り心地は少し硬めだが、粗い印象は受けない。

最も注目されるのはエンジン。優れた燃費性能を発揮しながら、幅広い回転域において機敏に吹き上がる。最高出力は5000回転で発生するが、6000回転前後まで確実に回り切る。最大トルクの発生が1250~4800回転と幅広く、軽くアクセルを踏んで巡航している1300回転前後でアクセルを踏み増しても、即座に駆動力が高まって市街地でも扱いやすい。

後輪駆動のメリットは、ドリフト云々ではなく、高い走行安定性と上質な運転感覚の両立にある。背の高いミニバンやコンパクトカーに対するセダンのメリットも同じだ。現行3シリーズは「後輪駆動×セダン」の特徴に後席の居住性という実用性も加え、幅広いユーザーに適する上質なクルマとなった。

運転を楽しむ目的だけでなく、大切な家族を乗せるための安全なファミリーカーとしても選択できる。

コンパクトなボディにメルセデスベンツの上質感を融合させ、街乗りから長距離移動まで幅広く使える

メルセデス・ベンツ C250メルセデス・ベンツ C250

Cクラスの一番の特徴は、従来型と同様、丁寧に造り込まれた内外装。特にインパネ周辺の質感の違いは、比較試乗した3シリーズ、パサートから乗り換えると即座に実感される。ほかの2車種も上質な部類だが、Cクラスは別格の印象が強い。

乗り心地も同様だが、今回取材したAMGスタイリングパッケージ装着車は18インチタイヤ(コンチネンタル・スポーツコンタクト3)を履く。足まわりが柔軟に動いて粗さは感じないが、街中での乗り心地は硬めだ。標準装着される17インチタイヤであれば、乗り心地の重厚感が高まってバランスが良くなる。

操舵に対する反応は、3シリーズに比べると穏やかな印象。高速道路を直進する時の安定性は高い。

コーナリング時の挙動も同様だ。現行Cクラスの発売当初は後輪の接地性が若干緩く感じたが、その後に改善された。天井の低いセダンボディとあって重心の低さも感じられ、ドライバーの抱く安心感は高い。

動力性能と燃費は、3シリーズの328iほどではないが、高次元でバランスされている。低回転域の駆動力も十分に確保され、4000回転を超えた領域の吹き上がりも活発。ノイズや振動は初期の1.8リッターターボに比べると格段に抑えられ、メルセデスベンツらしく上質に仕上げた。

3シリーズやパサートに比べると後席は狭めだが、上質な内装と併せてドライバーの快適性は高い。1800mmを下まわる全幅、5.1mの最小回転半径と相まって街中でも運転がしやすい。

2名以内の乗車で、街乗りから長距離移動まで幅広く使いたいユーザーに適する。後席にチャイルドシートを装着する使い方なら、ファミリーカーとしても機能する。

大人4名が快適に乗車できて内外装も上質、さらに環境性能を飛躍的に高めた実用セダンの代表車種

フォルクスワーゲン パサートフォルクスワーゲン パサート

BMWやメルセデスベンツではセダンが主力だが、フォルクスワーゲンの場合はゴルフの存在が大きい。今は中国市場の好調でパサートが最多販売車種になるが、日本ではゴルフとコンパクトなポロが販売の主力だ。

従ってパサートは脇役と見られがちだが、ゴルフと同様、実用性が高い。前輪駆動の採用に伴って前席の開放感は3シリーズやCクラスを上まわり、後席の居住性もトップ水準。大人4名が長距離を快適に移動できる。

となれば動力性能も大切。3シリーズの328iやCクラスの250Cほどパワフルではないが、実用上は十分な性能を確保する。1400回転以下で巡航中にアクセルを踏み増した時の反応は少し鈍いが、1500回転を上まわれば力不足は感じない。7速DSGの変速も滑らかで、エンジンが1.4リッターでも違和感なく運転できる。

高回転域の吹き上がりは意外に活発。その気になればスポーティな加速も味わえる。操舵感は、3シリーズやCクラスに比べて切り始めの反応が穏やか。機敏な印象はないが、リラックスして運転できる。

速度を高めてコーナリングすれば、ほかの2車種に比べて旋回軌跡を拡大させやすいが、後輪が踏ん張って不安は抱かせない。

乗り心地は試乗車のハイラインに装着されている17インチタイヤ(コンチネンタル・スポーツコンタクト3)は少し硬めだが、粗さはなく、快適性は削がれない。

以上のように、ゆったりした車内から穏やかな運転感覚まで、リラックス感覚を貫いたことがパサートの持ち味。スポーティな3シリーズ、上級なCクラスとの違いでもある。価格も割安で、国産のミニバンからセダンに代替えしたいユーザーにも適するだろう。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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