[試乗]フォード エコスポーツ 海外試乗レポート/川端由美(2/3)

  • 筆者: 川端 由美
  • カメラマン:フォード・ジャパン
[試乗]フォード エコスポーツ 海外試乗レポート/川端由美
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スタートボタンを押すと、フロントに積まれる1.5リッターNAの「デュラテックTi−VCT」が目覚める。エメラルドグリーンに輝く美しい海に向かって舵を切る。海岸に沿った眺めのいい道に出たら、自動で開閉できるサンルーフを空けて開放感を満喫する。

ベースの「フィエスタ」と比べると、50cmも高い位置にアップライトに座るので見晴らしがいい。

海辺の駐車場で、20cmのグランドクリアランスを試してみる。設置された縁石を越えるなど、朝飯前である。

ブラジルなどの新興国でよく見かける「スピードバンプ」対策でもある。町中や住宅地の手前でスピードを落とさせるためにかなり高いバンプを設置していて、まかり間違ってスピードを落とさずに突っ込むと、クルマが跳ね上がりかねない。

新興国で多い洪水対策もバッチリ。水深55cmまでは走り抜けられる頼もしさだ。

途中、観光客で賑わう街中にも入り込んでみた。タイ王室の保養所として、古くから開発されたリゾート地であるホアヒンは、アジアの街らしく入り組んだ作りだ。屋台や土産物屋が軒を連ねる町中では、5.4mの最小回転半径がありがたかった。

全長☓全幅☓全高=4241☓1765☓1658mmのボディサイズは、対向車が来て道を譲ることになっても、駐車するスペースに困らない。

ビーチも街中の散策も楽しいホアヒンだが、とっておきは背後の丘陵地帯にあるワイナリーだ。マレー半島の海沿いの街に多い地形だが、海から急速に山々がせり出している。標高が高まるに連れて、肌に粘りつくようだった空気の湿度がじわじわと下がって、どこからともなく涼やかな風が吹く。

1.5リッター「デュラテックTi-VCT」は、可変カムタイミング機構を備えることにより、最高出力110ps/6300rpm、最大トルク142Nm/4400rpmを生む。

6速DCTのシフトスケジュールが絶妙で、低速域でのトルクのピックアップがいいことに加えて、エンジン回転数を高めつつ、自然吸気らしいパワーの盛り上がりを感じながら山道を走る楽しさを提供してくれる。

シフトヘッドに備わる”サムスイッチ”を使って、積極的に操りたくなる。

緑が目に鮮やかなワイナリーの中庭で、ランドリーマシン積み込み競争(?)に参加した。ルールは単純。9分割されたブロックに洗濯機が印刷されていて、まずはそれを組み立てて、出来上がったら荷室に詰め込む。高さ88cm、幅102.7cmの大きなランドリーマシン(?)が、「エコスポーツ」の荷室にあえなく飲み込まれる様子は見ていて楽しい。

はてさて、気になる結果は、我がチームは見事に優勝(!) みんなでお揃いのポロシャツを着て、チームで競うゲームをしたあとは、参加者の一体感が増して、気分はまるで大人の修学旅行だ。

【次ページへ続く】

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川端 由美
筆者川端 由美

1971年生まれ。大学院 工学専攻 修士課程修了。1995年住友電工にて、カーエレクトロニクスやタイヤの研究にたずさわる。1997年、二玄社『NAVI』編集部に編集記者として転職。2004年からフリーランスの自動車ジャーナリストとなる自動車の新技術と環境問題を中心に取材活動を行なう。エンジニア、女性、自動車ジャーナリストといったハイブリッドな視点でリポートを展開する。国土交通省・独法評価委員会委員、環境省・有識者委員ほか。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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