フォード 新型クーガ 海外試乗レポート /大谷達也(2/2)

  • 筆者: 大谷 達也
  • カメラマン:フォード・ジャパン・リミテッド
フォード 新型クーガ 海外試乗レポート /大谷達也
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ひと目スタイリングを見ただけで心を奪われてしまう程の高級感がにじみ出ている

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新型クーガには、4気筒1.6リッター直噴ガソリンターボエンジンと4気筒2.0リッター直噴ディーゼルターボエンジンという2種類のパワーユニットが用意されるが、日本に導入されるのはエコブーストと呼ばれるガソリンのみ。ギアボックスはトルコン式の6AT、駆動系はフォードがインテリジェントAWDと呼ぶ新開発の電子制御式フルタイム4WDを採用する。

現行の日本仕様クーガは、5気筒2.5リッターガソリンターボエンジンを搭載していて、その最高出力は200psにも達するから、1.6リッターの“ちっちゃなエンジン”で本当に大丈夫かな、と心配になる気持ちはわからなくもない。

でも、同じエコブーストの2.0リッターバージョンが車重2.0トンのエクスプローラーを楽々走らせていることを考えれば、クーガには1.6リッターで十分以上との推測も成り立つはず。裏を返せば、クーガにこれまで積まれていたエンジンが少し贅沢すぎたといえないこともない。

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国際試乗会の会場で出会った新型は、現行型クーガのDNAを受け継ぎつつ、現行型フォーカスのイメージも採り入れたデザインに仕上げられていた。

おかげで、ひと目でクーガとわかるのに、クルマ全体から新しさや高級感がにじみ出ている。現行型のオーナーは、このスタイリングを見ただけで心を奪われてしまうだろう。

インテリアデザインでは、新型フォーカスとの類似性が強調されている。大きなダイアルを中心にデザインされたオーディオコントロールユニットや、独立したフードの奥に白い文字と青い針をあしらったメーターパネルのデザインは、フォーカスと“うりふたつ”。現行型クーガよりも明らかに高品質で、はるかに現代的に見える。これも間違いなく現行型オーナーを魅了するポイントだ。

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ステアリングポストの左下に設けられたスターターボタンを押し込んでエンジンを始動する。このボタンの位置自体、ダッシュボードのやや高いところにあった現行型よりも明らかに操作性が向上している。

始動してからもエンジンは静かなまま。ややがさついたノイズを出す現行型クーガよりも、自然吸気型ゆえにエンジン騒音の点ではやや不利な新型フォーカスよりも、ノイズレベルはさらに小さい。

これだけのことで、クルマがずっと高級に感じられるから不思議なものである。

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時代が変わっても、やっぱりフォードはフォード

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予想どおり、1.6リッターでも新型クーガはよく走る。むしろ低速からスムーズにトルクを生み出してくれるので、現行型クーガより爽快感が強い。低回転域の力強さでいえば、2.0リッターノンターボの新型フォーカスよりも確実に一枚上手なくらいだ。

その印象は、スピードを上げていっても大きく変わらない。

高速道路での追い越しでは、さすがにアクセルを大きく踏み込んだけれども、そうした状況を別にすれば、1/3くらいまでのアクセル開度でほとんどの走りが事足りてしまう。1.6リッターであることが信じられないほどの力強さだ。

軽快で正確なハンドリングも期待どおりだった。

ドライバーの視点はフォーカスよりも明らかに高いのに、フォーカスに負けないくらい安定した姿勢を保ったまま、スムーズにコーナリングしていく。最近はワインディングロードでも走りが楽しめるSUVが増えてきているが、そのなかでも新型クーガは、レスポンスの素早さと安定感で頭ひとつライバルをリードしているように思えた。

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乗り心地とロードノイズの点でも現行型を確実に凌いでいる。それどころか、新型フォーカスより快適と思えるほど乗り心地は良好で、タイヤから聞こえるざわついたノイズも小さめだった。

とはいえ、クルマ全体から漂う雰囲気は、あくまでも質実剛健。良質さはあっても派手さはない。

走りだって、無闇に快適性を追求するよりも、ドライバーが意のままに走らせることのできるコントロール性に重きをおいている。「時代が変わっても、やっぱりフォードはフォード」と思わせる部分だ。

新型クーガは今年後半に日本でも発売される見通しだ。

現行型よりエンジン排気量は小さくなったが、最新のセーフティデバイスを始めとする装備類はむしろ充実しているので、300万円台半ばの価格は据え置きになるか、やや値上がりすると予想される。

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大谷 達也
筆者大谷 達也

1961年、神奈川県生まれ。エンジニア職を経験後、1990年二玄社に就職し、CG編集部に配属となる。以来、20年間にわたり同誌の新車情報、モータースポーツに関する記事を企画・編集・執筆。2010年3月フリーランスとなる。現在もCGの編集・執筆業務に携わる傍ら、ENGINE、GENROQ、東京中日スポーツ新聞、レーシングオンなどにも寄稿。日本モータースポーツ記者会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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