今の時代にこそ光る、アバルトのピュアな魅力とは/新型「Abarth 595 Competizione」(アバルト 595 コンペティツィオーネ) 試乗レポート(4/4)
- 筆者: 塩見 智
- カメラマン:阿部昌也
「SPORT」モードで、そのキャラクターはさらに豹変する
ダッシュボードに「SPORT(スポーツ)」ボタンがある。これを押すと、エンジンのパワー自体が上がり、アクセルレスポンスが際立って敏感となる。またパワーステアリングのアシスト量が減り、ステアリング操作に力を要するようになる。
このスポーツモードのアバルト 595 コンペティツィオーネはちょっとしたもので、ワインディングロードであれば楽々とパワー自慢の大排気量車を追いかけ回すことができる。このクルマが本性を現すボタンといえよう。ただし高回転を保つギア選択となるので、市街地走行には向かない。燃費も悪化するはずだ。
ノーマルモードでもスポーツモードでも足まわりは硬い。が、バケットシートが身体をがっちりサポートしてくれるのと、剛性感の非常に高いボディのおかげで、硬い=不快にはつながらない。デート向きとも決して言わないが。
クルマの統括電子制御が進む今だからこそ、純粋にドライビングが楽しめるアバルトのピュアな魅力が光る
今回の改良は魅力を失った部分がなく、得るものばかりのグッドマイナーチェンジだ。あらゆる操作に対して、クルマの反応が敏感かつ正確なことが最も印象に残っている。
ちなみに、このクルマには近頃話題の自動運転系デバイスは一切備わっていない。挙動のすべてをドライバーがコントロールすることを楽しむクルマだ。
世の中が自動運転社会へと舵を切っているのは間違いないが、だからこそ昔と変わらぬ運転の楽しみを提供し続けるブランドとして、アバルトは今後ますます存在感を増すのではないだろうか。
[レポート:塩見智/Photo:阿部昌也]
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Abarth 595 Competizione[FF] 主要諸元
全長x全幅x全高:3655x1625x1500mm/ホイールベース:2300mm/車両重量:1120kg/乗車定員:4名/ステアリング位置:右(5速MT車は左ハンドル仕様も設定)/駆動方式:前輪駆動(FF)/エンジン種類:直列4気筒 DOHC 16V インタークーラー付ターボチャージャー ガソリンエンジン/総排気量:1368cc/最高出力:180ps(132kW)/5500rpm/最大トルク:23.5kg-m(230N・m)/2000rpm[※SPORTスイッチ使用時:25.5kg-m(250N・m)/3000rpm]/トランスミッション:5速マニュアルトランスミッションもしくは「アバルトコンペティツィオーネ」ATモード付き5速シーケンシャルトランスミッション/タイヤサイズ:205/40R17/メーカー希望小売価格:3,531,600円(5速MT)/3,693,600円(アバルトコンペティツィオーネ)
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