アバルト グランデプント 試乗レポート(4/4)
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:原田淳
アバルトの“おいしい”味わい方
搭載されるターボエンジンは6,500回転からレッドゾーンで、そこで頭打ち感があるが、その直前の4,000〜5,500回転あたりにタコメーターの針を置いておくと、かつての俊敏な走りが蘇る。
さらにスポーツブーストスイッチを入れると、電動パワーステアリングのきり始めが重くなり、全体に操舵力は重くなる。3kg-mのトルクアップはさすがに体感的に速い。3,000回転で最大トルクを出すこのシステムは自然吸気的な回転の上昇に応じて盛り上がってくる昂揚感とは違うが、力で押し切りたい時には有効なシステムだ。
アバルトは難しいクルマではないが侮ってはいけない。硬派のスポーツハッチであることには変りはないのだ。しかし、乗り心地は意外と良い。サスペンションはしっかりと締め上げられており、路面からの突き上げは小さくないものの、シートのクッションストロークがタップリしているので、ロングドライブで腰が痛くなるようなことはないだろう。
落ち着いてインテリアを眺めると白いプラスチックがダッシュパネルの大きな部分を占めているが、決して安っぽく見えない。至る所にちりばめられたアバルトの隠し味・・・・。きっとアバルトに憧れを持っていなかった層をも魅了するだろう。
今後、アバルト&C社はアバルト・チンクエチェントも投入する予定になっている。こちらも非常に楽しみだ!
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