フィアット 500ツインエア 試乗レポート/日下部保雄(2/4)
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:オートックワン編集部
軽やかに吹き上がる900ccのターボエンジン。デュアロジックとの相性は?
毎年、数多くの新車が登場するが、その中でも今回のツインエアは、特に興味を引かれるクルマだ。
いつものようにちょっと手を伸ばし気味にするドライビングポジションが、イタリア車だということを改めて感じながらエンジンをかける。いまどきのプッシュスイッチではなく鍵を捻るタイプだ。
始動したエンジンは軽やかな振動を伴って軽やかに吹け上がる。その時にパタパタパタと感じる振動はツインエアの特徴でもあり、フィアットではあえてこの振動とノイズを前面に出しているのがオモシロイ。初代500を知る人は、この振動が当時の2気筒エンジンを彷彿させると言う。
さて、この500ツインエアの900ccというエンジンは、ターボ過給により出力は85PS、最大トルクも14.8kg-mと、小さいボディの割りに、大きめのチカラなので、実用上のパワーは遜色ない。しかしターボの過給ラグを時として感じる場面があるのと、シングルクラッチの2ペダルが、スタート時にタイミングが悪いとショックを感じるなど、懸念点もある。
実はこの2ペダルは、AUTOモードでも楽しいのだが、マニュアルモードでシフトチェンジの度に、アクセルワークでショックを補いつつ操作してやったほうが、このクルマの雰囲気というものを味わえると感じた。
正直なところ、扱いにくいと感じたのはリバースギアへ入れた時で、急にクラッチミートをする性格があり、注意深くアクセルワークを行わないと強い衝撃を伴いながらの後退となってしまうので、ここは気を付けたいところだ。
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