これがフェラーリFFの後継、新型「GTC4ルッソ」のパフォーマンスだ!速攻試乗レポート(2/3)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:フェラーリジャパン
ぼてっとして見えるFFとはまるで別物
注目すべきは、パワートレーンばかりじゃない。内外装のデザインも、ほとんどフルモデルチェンジと言いたくなるほどに変わった。
シューティングブレークスタイルこそFFから継承するが、よく見るとルーフラインが後端に向かってより下げられており、クーペ風味を強調するデザインとなった。もちろん、サイドウィンドウやリアウィンドウのカタチも変わっている。
顔つきは、グリルの開口部を拡げてワイドさを強調し、よりアグレッシブかつスポーティに。サイドのキャラクターラインも、車体がより薄く見えるように走る。
極めつけはリアエンド。70年代以降のフェラーリに採用されていた、大きな丸4灯とした。下げられたルーフライン後端と相まって、後ろ姿はFFとはまるで別のクルマで、より低くよりワイドに見える。ぼてっとして見えるからFFは嫌だった、という人にも、このスタイルなら受け入れられそうだ。ちなみに、大まかなディメンジョンは、FFとほとんど変わっていない。
フェラーリで渋滞でもイラつかない!?
さらに劇的な変身となったのが、インテリアだ。FFでは612スカリエッティのイメージを踏襲した、どちらかといえばマッチョな雰囲気だったが、水平基調で、ダッシュボードの高さも抑えた、モダンかつクリーンなラグジュアリィデザインに大変身を遂げた。
この見映えの良さは、ゆったりと焦らずドライブさせるためにも有効である。 肝心の走りはどうか。国際試乗会の開催されたイタリア北部の“スッドチロル”(南チロル地方)は、バカンスシーズンの始まりだけあって、どこもかしこも観光客で賑わっていたが、その中をゆっくり、時には大渋滞に巻き込まれながらも、走っていて、ふと気がついた。
フェラーリで渋滞、なのに、気分がイラつかない!
これまでの跳ね馬であれば、クルマから煽られつつ、欲求不満が溜まる一方だった。ところがどうだ。GTC4ルッソは、微速域でのパワートレーンのマナーが素晴らしく、V12の静かな音色も心地よく響いて、とにかく落ち着いていられる。
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