クルマでしか味わえない!辺境グルメ旅Vol.2「アナタは、本当の富士宮やきそばを知っているか!?」(3/3)
- 筆者: Art- Foods
- カメラマン:Art-Foods/オートックワン編集部
富士宮やきそばのあとは・・・やっぱデザートでしょ!
さて、極上の富士宮やきそばでハラも満足、せっかくココまで来たのだから、ちょっと朝霧高原方面にアシを延ばしてみようではないか。云わずと知れた観光スポットなので、見るもの喰うものは数えきれないほどあるが、今回はちょっとマニアックなルートで楽しもう。
食事のアトはデザートと世間の相場は決まっているのであって、畜産業が盛んな朝霧高原では美味しい乳製品を食べさせてくれるお店はいくつもあるから、テキトーに飛び込んでもそうハズレはない。しかしメジャーなスポットにはないプラスアルファを求める方に、こんなお店はいかがだろう。
朝霧高原から山梨県西湖方面に抜ける県道の目立たない場所にある農家レストラン「えいちのむら Never Land」である。
地元で採れた新鮮な野菜を使った食事や、無添加の手作りパンがウリのお店であるが、ソフトクリームもピカイチの美味しさだ。スタンダードなバニラに加え季節によって変るトッピングの楽しみもあって、お値段は三百円台とちょい高めではあるものの、その美味しさにカンペキな納得もゆく。ルバーブのジャムがトッピングされたソフトクリームなどは、ちょっとなかなかホカでは味わえない逸品、自慢話のタネにもいいだろう。
住所:静岡県富士宮市根原向陽71-4/電話:0544-52-1616/営業時間:11:00~18:00/定休日:月曜日/URL:http://www.hobbylife-town.net/eichino-mura/
羊毛クラフトのために羊を飼い始めた
羊毛のクラフトを作るために、羊の飼育から始めてしまった方がいる。
何度かその前を通りかかることがあり、羊が放牧されているのを見ては喰うための羊かと思い込み「あ~ジンギスカンが喰いてーなあ」などと叫んでいたバカエロおやぢなのであった。
ところがその家は、家人が勤める会社の同僚なのであって、ウールクラフトが目的であることを後に知り、消え入らんばかりにハズカしく思ったものだった。
今回冬季なので羊の放牧風景は見られず、羊舎での面会であったのはちょっと残念であったが、クラフトの教室は継続して開いていた。可愛らしいショウルームのようなお店は現在準備の途中で、これから更に充実させてゆくのだという。気軽に見学させていただけるので、興味のある方は電話で確認の上、訪れてみるのもいいだろう。
■ウールクラフト・ひつじ家(小笠原さん)
住所:静岡県富士宮市人穴758-39/電話:0544-52-1073
これぞ穴場! 高原で頂く絶品うどん
モクテキの富士宮やきそばも食べたしデザートもしっかり食したハズなのに、ナゼかまた喰ってしまうのである。もうタガの外れたエロおやぢである。
たまたま走った道がいけなかった。先のひつじ家さんの小笠原氏に教えていただいて、昨年二月のオープン日に行った“肉うどん・野島”さんを見てしまったのね。同行者にどーするか尋ねると、嬉しそうな顔で「行きましょう♪」と仰るではないか。まったくよく喰う連中だ…ってオマエが誘うからだろ!ですよね、すみませんヨケーなことをしまして。
しかしあまり知られていない分、希少性の高いお店なのでもあり、またそのお味を確認していただきたかった…という言い訳も通用するに違いない。
同じ“肉うどん”でも、こちらのものは大いに違うのよ、なんといっても地元の農家さんが飼育している極上の牛肉を使っているのだから。メジャーなブランドになってしまった朝霧牛ではなく“岡村さんちの牛肉”とムネを張ってメニューを掲げているのはその品質とお味によほどの自信があるからだろう。
たかが肉うどんなどと侮ってはならない。
上等な和牛にも匹敵する豊かな風味と柔らかさは、まるで高級料亭のスキヤキを食しているような錯覚さえ覚えるうどんなのである。
その牛肉の味を生かすために改良を重ねたダシつゆと、本場讃岐のうどんとのマッチングは、オープン日のものより確実に上昇していた。添えられる湯葉や油揚げ、そして白髪ネギといったものを頑なに守り続けている姿勢も好きだ。肉うどんが880円というお値段は、単にソレを聞いただけでは法外なものにも思えるが、この品質とお味を体験すれば納得以上のものがある。いやホントにこれでいいんですか?と心配になるほど安いと言ってもよい。
同行者が注文した“肉つけうどん”も素晴らしいひと品だった。
きちんと“つけうどん”用にダシつゆの濃度も変えてあり、麺は温・冷どちらにもオーダーできる心遣いが嬉しいではないか。
富士宮やきそばの「うるおいてい」さん同様、こちらにも特製の辛子味噌がテーブルに準備されていて、濃厚なお味の肉うどんにクチが慣れてきたらアクセントに投入してみるのも楽しいワザだろう。ヒトとはちょっと違うもんを喰いたいんだよね…というグルメにはズバリなお店「野島」さん。朝霧高原にはこんなお店もあるのだよ。
■肉うどん 野島
住所:静岡県富士宮市人穴185/電話:0544-52-0945/営業時間:11:00~15:00/定休日:木曜日
シメは草団子!? 食欲の限り僕らは食べ続けるのだ!
それまでずっとイマイチなお天気が続いていたのに、この日は暖かな陽光が降り注ぐナイスな日和だったのは、平素の行いが良かったからなのだろうな、いや同行の誰かのオカゲですからね…ボクではないことは確実ですから。
終日富士山がクッキリ輝いていた朝霧高原のあちこちで愛車メガーヌの姿をカメラに収めているうちに、陽もだいぶん西に傾いてきた。そうだ、帰り際には“あの名物”を、遠来の同行者にご馳走してあげよう…というキモチになった。
それはフツーならあまり立ち寄る気にはなれない、ベタな夏季観光のドライブインで、ムカシから売られている大福餅なのである。『富士の草大福』という名の菓子は、以前には皮スーツのライダーが店先でパクつくテレビCMが放映されていたくらい有名なものであるけれども、何年もその品質を落とさずに売られ続けているのが、評価の高い理由なのだろうな。
香り高い草餅にジャストな甘さの上質な小豆粒あんが美味しい。賞味期限が発売日とその翌日まで、というところがマゼモノをしていない証明なのであって、販売窓口の職人さんも「明日までですからね、なるべく早く食べて下さいね」とお客さん一人一人に念を押している姿が印象テキなのであった。イートインコーナーではドリンクが別売りだが、新鮮な“あさぎり牛乳”をチョイスするのもイケていると思う。
今回食した食べ物の中で、唯一コレがメジャーなものであったが、これはドコに出しても恥ずかしくない菓子として、堂々とイバっても構わないだろう。あまりコレといった銘菓のない哀愁のイナカ町にも、自慢できるものがあってちょっとホッとした…というのがホンネですが。
■ドライブイン もちや
住所:静岡県富士宮市猪之頭1217/電話:0544-52-0202/営業時間:9:00~18:00
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