スズキ アルトワークス vs ダイハツ キャストスポーツ どっちが買い!?徹底比較(2/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
動力性能比較/スズキ アルトワークス vs ダイハツ キャストスポーツ
両車ともに軽自動車だから全長と全幅は同じだが、全高はキャストスポーツが1,600mmと1,500mmのアルトワークスよりも100mm高い。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はアルトワークスが2,460mm、キャストスポーツが2,455mmだからほぼ同じだ。
実際に両車を試乗した動力性能では、アルトワークスが優れている。発進直後の1,800rpm付近からターボの過給効果が感じられ、2,500rpm前後から加速力が本格的に活発化する。7,000rpmまでキッチリと回る加速性能は、軽自動車の最高水準といえる。
キャストスポーツもターボの装着で十分な加速力を発揮するが、アルトワークスほどではない。特に2,500rpm以下の動力性能に違いを感じる。
差が生じた理由は2つあり、まずはエンジン自体の性能が違うことだ。
最高出力は両車とも軽自動車の上限になる64psだが、発生回転数はアルトワークスが6,000rpm、キャストスポーツは6,400rpmで少し上まわる。
最大トルクはアルトワークスが10.2kg-m(3,000rpm)、キャストスポーツは9.4kg-m(3,200rpm)だから、アルトワークスは実用回転域で高い性能を発揮している。
2つ目の理由は車両重量だ。アルトワークスは背の低い軽自動車でプラットフォームから軽量化を徹底させ、前述のように670kg(5速AGSは690kg)に抑えた。
キャストスポーツは850kg(CVT/無段変速AT)だから、アルトワークスに比べて160~180kgは重い。比率に換算するとアルトワークスの車両重量はキャストスポーツの80%程度だから、加速力で有利になった。
トランスミッションの違いにも注意したい。
キャストスポーツのCVTには7速の疑似的なマニュアル変速モードが備わるが、峠道では二速ではギヤ比が低すぎて、逆に三速は高すぎると感じることが多い。
無段変速のCVTだから、常に高回転域を維持できる「Lレンジ」があると動力性能を有効活用できるが、キャストスポーツにこのレンジはない。CVT車で高回転域を長時間にわたって使うと発熱の問題が生じるから、Lレンジの使用には注意が必要だが、動力性能をフルに引き出したい時は効果的だ。
そして、アルトワークスは受注台数のうちの90%を「5速MT」が占める。昔のスポーツハッチもそうだったが、軽自動車のスポーツモデルの醍醐味は一般公道でもパワーを出し切れることにある。この時には5速MTが効果的で、キャストスポーツにも設定して欲しい。
アルトワークスの5速MTは専用開発されており、シフトストロークも適度で操作性は良好だ。
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