ミニバン要素たっぷりの新型コンパクト2BOX、ダイハツ トール/トヨタ ルーミー・タンクが登場
- 筆者:
- カメラマン:オートックワン編集部 Text:ダブルクラッチ
ダイハツ、トヨタが新しい“コンパクトファーストカー”、“1LD-CAR”で全方位に応える!
「クルマ離れ」が叫ばれて久しいが、本当に需要はないのだろうか。もしや、ニーズに応えられているクルマがないということではないのか。
ダイハツが開発設計し、トヨタのディーラーネットワークとダイハツの販売店で発売されるニューモデルは、全方位から絶妙にユーザーの趣向に応えようという意欲を端々に感じることのできる1台だ。
11月9日(水)より、ダイハツ工業は新型小型車THOR(トール)を、そしてトヨタ自動車はROOMY(ルーミー)とTANK(タンク)を発表、同日全国で一斉に販売を開始した。ヒルトン東京お台場では、報道向け発表会が開催された。
スペックではあらわせない、至れり尽くせりの装備で訴求
春から新型パッソを発売しているダイハツ工業にとって、それに次ぐモデルとなるハイトワゴンのトール。パッソの上でも派生でもなく、より生活者の視点に立った「ジャストフィットな1台」を強調する。そしてさらにムーブで培ったノウハウを存分に投入したという。
コンパクトなボディ外寸ならではの取り回しの良さと、優れたパッケージングの両立。
また、スマートフォンから牛乳パックまで収めることができる回転式カップホルダーや、小さな子供から大人、また高さではなく、握って体を引き付けることで、お年寄りの乗降性も考慮した大型乗降用アシストグリップ。ドライバーのみならず乗員全員が見やすく、様々なことに活用できるTFTカラーマルチインフォメーションディスプレーなど、装備に関しても至れり尽くせりだ。
持つこと、走ることの喜びの「その先」にまで配慮された様々な仕掛けの数々。嶋村チーフエンジニアは「スペックではあらわせない部分にこだわりました」と強調する。
やさしさ、工夫、思いやり、そうしたものが作り出す総論としてのゆとり。日本車らしい至れり尽くせりな新しいクルマは、ダイハツとしても軽自動車を含めたコンパクトカーのレベルアップの足掛かりにしたいのだということを強く感じさせる。
様々な要求にこたえる1台
そして基本設計を同じくして、この日お披露目されたトヨタ向けの2台は、同じ文脈ながら別の表現を見せる。
トヨタ店並びにカローラ店向けの車種として発表されたルーミー、ネッツ店とトヨペット店向けのタンク。
この2台はミニバンの魅力をコンパクトカーに凝縮させた、と謳う。
公開されたTVCMでは、同じタッチながら女優の加藤あいさんと俳優の荒川良々さんの「くつろぎカップル編」としてルーミーを、また、女優の菜々緒さんとタレントのバカリズムさんによる「こだわりカップル編」ではタンクを訴求する。
そして共通するテーマが「1LD-Car!Living×Driving~」。部屋のように空間を楽しむこともでき、取り回しの良さや、気兼ねなく使える運転のしやすさをアピールしていきたいのだということがよくわかるプロモーションである。
身の丈に合うジャストフィットな満足感。クルマに求める楽しさというのも表現方法はさまざまである。
ヨーロッパでも貨客兼用のような、この手の背の高いクルマは大活躍だ。しかしそれは、貨物車は乗用でも使える、というユーザー側にゆだねられているようなところがあるのではないだろうか。
あらゆる可能性を想定して、抜かりなく、クルマ、あるいはメーカー主導でカーライフ、そして自動車の使い道を切り拓いていくのだ、という、メーカーの意気込みを感じつつも、どこか抱えこみすぎなのではないか・・・と感じてしまうほどであった、ダイハツ/トヨタのニューモデル発表会。
ダッシュボードにはステッチがあしらわれていたりする。そうした細かい質感にもかなり気にしていることを感じさせるこのニューモデル。ダイハツ トール、トヨタ ルーミー/タンクは合わせて月販7500台を見込むという。
この高いスペースユーティリティーは、年配でクルマをダウンサイジングさせたい人や、独身の人、趣味用の移動基地としてなど、多くの人に受け入れられる素養を持っている1台ではないだろうか。
[レポート:ダブルクラッチ/Photo:オートックワン編集部]
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