【比較】日産 デイズルークスライダー vs ダイハツ タントカスタム どっちが買い！？徹底比較(1/2)

これは凄い！と最初に驚かせることが、今の売れるクルマの条件だ。しかもそのサプライズは、実用性を持つことが大切。広い車内、便利なシートアレンジ、豊富な収納設備、先進的な安全装備など、「これは便利！」とか「これなら安心！」とユーザーを感心させなければ、売れるクルマにはならない。

逆にいえば、売れているクルマには、必ず「実用性を伴うサプライズ」がある。その代表といえるのが、全高を1,700mm以上に設定した背の高い軽自動車だろう。

日産 デイズルークス＆三菱 eKスペース、ダイハツ タント、ホンダ N-BOX、スズキ スペーシア＆マツダ フレアワゴンがそのラインナップだ。これらの軽自動車は、空間効率を徹底的に追求したから、運転のしやすい軽自動車のサイズでも車内は驚くほど広い。後席は快適で、畳めば自転車なども積める。スライドドアを装着しているから、狭い場所での乗降性も良い。

これらは全高が1,700mm以上の軽自動車に共通する特徴で、各車種ともさらに独自の機能を追求している。今回は設計の新しい「日産 デイズルークスライダー」と、このジャンルの草分けともいえる「ダイハツ タントカスタム」を比べたい。

デイズルークスライダー vs タントカスタム -エクステリア・インテリア対決-

デイズ ルークスライダーは、デイズ ルークスハイウェイスターをベースに、オーテックジャパンがアレンジを施したモデルだ。

外観では専用メッキグリル、光輝モールを備えた専用フロントバンパーの装着により、フロントマスクの存在感を強めている。オプションでLEDデイタイムランニングライトを加えることも可能だ。15インチアルミホイールも専用のデザインで、外観のイメージはベース車のハイウェイスターとはかなり異なる。

内装にも手を加え、インパネの中央にはシルバーメッシュの装飾を施し、シート生地も専用のジャガード織物。内外装ともにライダーならではの個性を打ち出した。これは一種のサプライズだろう。

一方、タントカスタムは、デイズルークスでいえばハイウェイスターに相当するモデル。デイズルークスライダーほど派手ではないが、メッキグリルを装着して存在感を強めた。そしてタントカスタムのサプライズは、外観よりも「スライドドア」にある。

右側は一般的な構造だが、左側は中央のピラー（柱）をスライドドアに組み込んだ。そのために左側の前後のドアを開くと、開口幅が1490mmとワイドに広がる。体を捩らずに後席に乗降できるため、お年寄りのいる世帯にもピッタリ。

そこで助手席に乗降用のグリップも装着した。内装は両車ともていねいに造り込まれている。

デイズルークスライダーは、タッチパネル式のオートエアコンに特徴がある。操作パネルが光沢のあるブラックで質感も高い。このインパネはちょっとしたサプライズで、コンパクトカーよりも凝った印象を受ける。

一方、タントカスタムもインパネに光沢のあるブラックのパネルとシルバーの装飾を多用して、質感を高めた。エアコンはタッチパネル式ではないが、手探りで操作しやすい。

前席は両車ともにベンチタイプを採用。座面のサイズに余裕を持たせ、座り心地を快適に仕上げている。

後席は両車で指向性の違いがある。デイズルークスライダーは、座面の奥行にタップリした余裕を持たせ、座り心地を快適に仕上げた。座ると膝の裏側まで確実にサポートされる。多彩なシートアレンジの機能を持たせながら、座り心地も柔軟だ。

対するタントカスタムは、足元の空間が広い。デイズルークスライダーも十分すぎるほどのスペースを得ているが、タントカスタムはそれ以上になる。ただし座面の柔軟性がいまひとつだから、大人4名で乗車する機会の多いユーザーは注意したい。