ダイハツ タント/タントカスタム 試乗│着実に進化を続ける人気軽ハイトワゴン(1/3)

ライバル勢に大きな影響を与えたタント

軽自動車の人気車種といえば、今はホンダ N-BOXだ。

2011年に発売された先代型は、驚くほど広い室内が注目されてヒット作になった。2017年9月に発売された現行型は、先進安全装備のホンダセンシングも採用して機能を一層充実させている。歩行者を検知して緊急自動ブレーキを作動させ、電動パワーステアリングを制御して回避操作をうながす安全装備も採用した。

N-BOXは2013年/2015年/2016年(いずれも暦年)に軽自動車の販売1位になり、2017年は小型/普通車も含めた国内販売のナンバーワンになっている。

N-BOXが高い人気を得た背景には、ライバル車となるダイハツ タントの影響も大きいだろう。

初代タントは2003年に発売され、全高が1700mmを上まわるボディによって軽乗用車では最大級の室内空間を備えた。それまでのダイハツ ムーヴやスズキ ワゴンRは、現行型も含めて全高が1600~1700mmに収まるため、タントの広さは新鮮であった。

そして2007年12月に発売された2代目タントは、後席のドアに特徴を持たせている。右側は前後のドアともに横開き式だが、左側には新たにスライドドアを装着した。左側は中央のピラー(柱)が現行型と同じくスライドドアに埋め込まれ、前後を両方ともに開くとワイドな開口幅が得られた。

また2代目タントの直後、2008年1月にはスズキ パレットが発売され、これも全高が1700mmを上まわる背の高い軽自動車であった。後席のドアはスライド式で、タントのようなピラーをドアに埋め込んでワイドに開く構造ではないが、両側に備えている。この後、パレットは2013年3月に先代スペーシアに発展した。

このようにタントは、全高が1700mmを超える背の高い軽自動車の先駆的な存在として売れ行きを伸ばし、N-BOXもタントの勢いに乗って登場した。3代目の現行タントは2013年10月に発売され、2014年には軽自動車と小型/普通車を含めた国内販売の1位になった(軽自動車市場の2位はN-BOX)。しかし2015年以降は、前述のようにN-BOXに1位を奪われている。

ダイハツ タント/タントカスタムを画像でチェック(118枚)

着実に進化を遂げるタント

それでもタントはダイハツの基幹車種とあって改良を着実に行い、2014年にはグレードを追加。2015年にはマイナーチェンジされてフロントマスクや内装のデザインを変更した。緊急自動ブレーキを作動できる安全装備は、赤外線レーザーのスマートアシストから、単眼カメラを併用するスマートアシストIIに進化している。

2016年11月には、2個のカメラをセンサーとして使うスマートアシストIIIが採用された。緊急自動ブレーキは歩行者に対しては時速50km、車両については時速80kmを上限に作動する。車線逸脱などの警報機能も装着した。

2017年12月にはパノラマモニターを新たに設定。ボディの四隅に装着されたカメラ映像を合成して、車両の周囲を上空から見たような映像としてモニター画面に表示する。目新しさはないが、車庫入れがしやすくなって安全性を高める効果もある。

このような進化を検証すべく、タントの最新モデルに改めて試乗した。

ダイハツ/タント
ダイハツ タントカタログを見る
新車価格:
135.3万円199.1万円
中古価格:
3.8万円280万円
1 2 3 次へ

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

ダイハツ タントの最新自動車ニュース/記事

ダイハツのカタログ情報 ダイハツ タントのカタログ情報 ダイハツの中古車検索 ダイハツ タントの中古車検索 ダイハツの記事一覧 ダイハツ タントの記事一覧 ダイハツのニュース一覧 ダイハツ タントのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる