ダイハツ 新型 ムーヴ・ムーヴ カスタム[2012-2013マイナーチェンジモデル]試乗レポート/渡辺陽一郎(2/3)

ダイハツ 新型 ムーヴ・ムーヴ カスタム[2012-2013マイナーチェンジモデル]試乗レポート/渡辺陽一郎
ダイハツ 新型 ムーヴ「ムーヴ X ”SA”」[FF/ボディカラー:シャンパンゴールドメタリックII] ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA”[FF] ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” リアビュー ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” エクステリア(後) ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” エクステリア・フロント正面 ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” エクステリア・サイド(真横) ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” エクステリア・リア正面 ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” エクステリア(前) ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” エクステリア(後) ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” フロントマスク部 画像ギャラリーはこちら

話題のスマートアシストを装備したムーヴに試乗

ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” 試乗レポート3

そこで早速、標準ボディの新型「ムーヴ X”SA”」を試乗した。「SA」が付くグレードは、話題のスマートアシストを装着するモデルだ。

動力性能は平均的。変更前と同じだが、正確には、2011年11月にムーヴに「ミライース」のe:S技術の投入により燃費を向上させた時点で、最大トルクの発生回転数が1200回転高まった。現行型の最大トルクは6.1kg-m(5200回転)で、最高出力は52馬力(6800回転)になる。やや高回転指向で、もう少し実用域の駆動力を高めて欲しいと感じた。登り坂ではエンジン回転が高まりやすく、ノイズも増してくる。いっぽう市街地はさほど不満はないが、大きな交差点の右折は要注意。メーター読みで時速25キロ前後までの到達時間が少し長く、タイミングを誤ると対向車の接近を招きやすい。

一方、走行安定性は大幅に向上。とりわけ直進時の安定性が高まり、「ちょっとフラフラした感じになる」という指摘に応えたことが良く分かる。従来型では、バイパスのうねった場所を通過すると若干の修正操舵が必要で、リラックス感覚を削がれたが、現行型なら緊張せずに乗り越えられる。

ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA”[FF]ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” リアビュー

劇的に変わったのは、危険を回避する時の動き。従来型はスタビライザーを装着しない背の高い軽自動車のパターンに沿って、大きな揺り返しに見舞われた。「いくら内装の質感を高めても、こういう場面では軽自動車だなぁ」と思ったが、現行型なら不満はない。鈍さを感じさせずに曲がりながら揺り返しは抑えられ、後輪の接地性も十分。横滑り防止装置の作動タイミングにも遅れはなく、コンパクトカーのように扱えた。

ムーヴに限らず軽自動車の全幅は1475mm。ムーヴの全高は1620mm。全高は全幅の約110%だから、5ナンバー車に当てはめれば1860mmくらいだ。セレナのような縦横比の軽自動車を安心感を持って走らせようとすれば、足まわりにも相応のサポートが必要なのだろう。

ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” インテリア・リアシートダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” インテリア・フロントシートダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” インパネ周りダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” メーター周りダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” 進化したe:Sテクノロジーを採用した直列3気筒 12V DOHCエンジン

スタビライザーやスマートアシストを装備しながら更なる軽量化を実現

ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” 試乗レポート2

注目されるのは、重量が3kg前後になるスタビライザー、「スマートアシスト」の赤外線レーザーセンサーなどを装着しながら、車両重量がほとんど増していないこと。X”SA”の車両重量は、変更前のXと同じ810kgだ。開発者は「ほかの部分で細かな軽量化を行ったので、変更に伴う重量の増加と相殺された」と言う。

乗り心地は、街中では少し硬めに感じる。装着されていたタイヤは14インチ(155/65R14)のファルケン・シンセラSN831。指定空気圧は前後輪ともに240kPaだから、ワゴンRの280kPaほどではないが高めの設定になる。開発者は「同じサイズでも快適性を重視したタイヤを装着し、空気圧を200~210kPaに抑えれば、乗り心地はかなり向上する」と言う。燃費の向上と引き替えに失うものもあるのだ。

アイドリングストップは時速9キロを下まわると作動してエンジンが停止する。停止中にブレーキペダルを踏み増す(緩めるのではなく)と、負圧の変化を検知して再始動する特性は今も残るが、アイドリングストップの作動時間が長くなった。

ダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” 155/65R14 75Sタイヤ+14インチアルミホイールダイハツ 新型 ムーヴ フロントサスペンションダイハツ 新型 ムーヴ リアサスペンションダイハツ 新型 ムーヴ X ”SA” スマートアシスト用「レーザーレーダーセンサー部」ダイハツ 新型 ムーヴ「スマートアシストシステム」

軽初の衝突回避支援システム「スマートアシスト」を体験

ダイハツ 新型 ムーヴ スマートアシスト実演「低速域衝突回避支援ブレーキ機能」ダイハツ 新型 ムーヴ スマートアシスト実演「誤発進抑制制御機能」

特設会場では、「スマートアシスト」の作動も体験。赤外線レーザーセンサーは、ミリ波レーダーやカメラ方式に比べて検知距離が短い。そのために時速4~30kmの範囲内で作動し、衝突を回避できる速度は時速20km以下になる。

そこで「低速域衝突回避支援ブレーキ機能」のテストでは、時速15km程度を保ちながら障害物に接近。警報音が鳴り、それでも何も操作しないと緩くブレーキが作動。ここでブレーキランプも点灯する。さらに我慢していると、障害物の直前で完全停止した。

次は「誤発進抑制制御機能」。アクセルとブレーキペダルを踏み間違えて、建物などに突っ込む事故を防ぐ機能だ。開発者は「誤発進と駐車の操作を判別するのが難しい」と言う。車両を壁にピッタリと付けて駐車したい場合もあるからだ。

そこで障害物に向けて車両を駐車し、まずはアクセルペダルを軽くゆっくりと踏む。すると車両はググッと前進しようとする。誤発進ではなく、ドライバーの正常な操作と認識したからだ。次は普通に発進する感覚で、アクセルペダルを30%くらいスッと踏み込む。すると警報音が鳴ると同時に、エンジンの出力が絞られた。

このほか「先行車発進お知らせ機能」もあり、信号待ちの後などに先行車が発進しても自車が発進しない時、ブザーとインジケーターで知らせてくれる。作動を市街地走行に限った代わりに、前述のとおり価格が安く、横滑り防止装置とセットで5万円で装着できるメリットは大きい。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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