[試乗]ワタシの目をクギ付けにする、心地よい違和感/「DS5」試乗レポート(3/5)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:茂呂幸正
航空機をイメージしたコックピット、腕時計のストラップをイメージしたレザーシート
インテリアはフラットボトムのステアリング、各機能をセンターコンソール上のスイッチで操作する航空機のコックピットを思わせるレイアウト。そこに、フランスのプレミアムブランドであるDSの趣向を凝らした作り込みがスポーティで居心地のいい空間を提供してくれる。
シートの材質はベースモデルのコンビネーションシートのほかに、上級仕様にはレザーシートが採用されている。
今回試乗した『DS5 Chic Leather Package』には、腕時計のストラップを模してデザインされたクラブレザーシートを標準装備。フロントシートはヒーター付き、カラーはブラウン系、ダークブラウン系、レッド系の3色から選ぶことができる。バイエルン産のセミアニリンレザーは世界各国の高級車に用いられてきた高品質な素材で、丁寧に鞣された革ならではの滑らかな手触りと自然に溶け込む風合い、嗅覚に伝わる匂いまでも、贅沢な気分に浸らせてくれる。『DS3』や『DS4』と比較すると、各部の作り込みはひとつひとつのパーツが豊かな造形で描かれており、磨き込まれた質感の高さからコダワリが感じられる。
きっといつもとは違う、このクルマから望む景色
シートに腰掛けてみると、天井はそれほど高くはないものの、頭上には3分割式で電動サンシェード付きのコックピットルーフが標準設定されている。都会のビル街から緑豊かなリゾート地まで、このクルマから望む景色が優雅なものに感じられそうだ。
ソファーのようにゆったりと身体を預けられる座り心地に優れた後部座席は実用性もしっかり両立させている。背もたれは6:4で分割可倒式で、用途に応じて臨機応変に使いこなせる。
デザイン性だけに偏らず、荷物の積載性において、実用的な空間を併せ持つあたりはフランス車らしい部分だ。
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