もう一度観たい! おすすめクルマ映画 Vol.3『フェラーリの鷹』|イラストレーター・遠藤 イヅル編
- 筆者: 遠藤 イヅル
- カメラマン:イラスト:遠藤イヅル
原題は『Poliziotto sprint』、とにかくカーチェイスを楽しむが勝ち
原題は『Poliziotto sprint』(英語版では「Highway Racer」)で、は1977年のイタリア映画です。
ストーリーは単純。主人公は“自称”超絶ドラテク警官。ところが銀行強盗を追跡中に同僚を死なせてしまいます。というのも、強盗は元レーサーで、テクニックが彼より上だったのです。
そこで元レーサーの上司が主人公にドライビングテクニックを伝授、上司が持っていた古いフェラーリを譲り受けレストア、強盗団に取り入るも主人公の彼女のせいでバレてしまい、最後は強盗に挑むというあらすじ。ヒネリもあまりないのですが、逆にそれがカーチェイスを存分に楽しめる要素にもなっています。
観かたによっては★4つ!シトロエンDSが大暴れ
劇中に出てくるクルマは欧州車ファンの心を釘付けです。邦題につくようにフェラーリが出てくるのですが、これがまたスーパーカーブーム時代の前に生産されていた「250GTE 2+2」という後輪駆動の4人乗りモデルというシブさです。でも!実はこの映画、カゲの主役は登場してはどんどん破壊される(涙)警察のアルファロメオ ジュリア ベルリーナと、街中を走る数々の欧州車、そして敵の強盗が乗るシトロエンDS(ID)です。DSは強盗のドラテクも手伝って面白いように追っ手を翻弄し、最後に繰り広げられる主人公 vs 強盗の戦いでもフェラーリと互角に立ち向かいます。
DSはそのデザインからおとなしめなイメージがありますが、軽量でハンドリングも良好(当時のラリーでも勝利を幾度も手にしています)なため、強盗はそれを利して見事な走りを見せます。DSは柔らかいサスで乗り心地が優れていることでも知られますが、映画内でも随所でフワンフワンとした動きを見せてくれます。ネタバレになってしまうのですがラストではDSの特徴的なボディ構造も明らかになるシーンもあり、ニヤニヤが止まりません。
映画的には「B級」扱いですが、クルマが好き、特に古い欧州車が好みの人だと★4つくらいつく映画になっています。
[イラスト&レポート:遠藤 イヅル]
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