セミオープンの美点は、室内や荷室空間がハッチバックと変わらないこと。後席にも身長170㎝の僕が楽に座れる。重量増も最小限で、ハッチバックのプラス25㎏に抑えられている。
でも500Cは10㎏しか重くなかったはず。そこでムナン氏に日本語で聞いてみると、ルーフの重量差は5㎏で、残りは荷室周辺の補強と床下へのダイナミックダンパー装着に使ったという。
たしかに上にスライドするように開くトランクリッドを開けると、間口部は狭い。でもこれは、ハッチバックと変わらぬ走りを実現するためなのだ。ダイナミックダンパーもしかり。
おかげで加速だけでなく、乗り心地やハンドリングも、ハッチバックとほぼ変わらない。いや、乗り心地のしっとり感は、ハッチバックモデルより上かもしれない。昨年発売されたDS5の試乗会で、同時に乗った最新型DS3の印象が予想以上に良くて“熟成されているなあ”と感心したけれど、カブリオはそれ以上。
しかもソフトトップはブラックだけでなく、日本でも最近限定車として登場したブルー、そしてDSのロゴを一面にちりばめたモノグラムまで選べる。もしフルオープンでモノグラムをやったらクドい!と思うはず。さすがフランス、おしゃれとは何かを分かっていらっしゃる。