シトロエン 新型C3 2000km試乗|新世代のフレンチコンパクトを徹底テスト(1/2)

  • 筆者: 内田 俊一
  • カメラマン:内田 俊一・内田 千鶴子

3代目シトロエンC3の実力を徹底検証

シトロエンのベーシックモデル、C3(シースリー)がフルモデルチェンジし3代目に進化。デビューエディションを経て、通常のカタログモデルが導入されたのを機に早速ロングドライブに連れ出してみた。今回のテスト車はC3シャイン(白)と、同じくシャインのガラスルーフ付きモデル(青)の2台だ。両モデルとも1000km以上の旅の友として、立派にその役目を果たしてくれた。

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世界で350万台を売ったベストセラーカーが3代目にフルモデルチェンジ

まずは走り出す前に、C3の簡単なおさらいから。2002年に初代C3がデビューして以来、350万台以上がグローバルで販売されたシトロエンのベストセラーカーがC3だ。初代、2代目と比較的丸みを帯びたデザインだったのに対し、3代目はそれを継承しつつも、かなりアグレッシブなデザインに生まれ変わった。

搭載されるエンジンは1.2リッター3気筒ターボで、最高出力110ps/5500rpm、最大トルクは205Nm/1500rpmを発揮。6速AT(EAT6)と組み合わされ、1160kg(ガラスルーフ付きは+20kg)のボディを引っ張り上げる。

今回からC3にもいくつかアクティブセーフティ機能が搭載された。まずは5km/hから82km/hで作動し、60km/h以下では歩行者を検知(二輪車は除く)するアクティブセーフティブレーキや、レーンデパーチャーウォーニング(65km/h以上で警告のみ)、ブラインドスポットモニターなどである。

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“インスタ映え”する風景写真を撮ってくれるクルマ!?

また、新型C3ではドライビング体験を“記録”する機能が追加された。これは、シトロエン・コネクテッドカムといい、ルームミラー裏側に取り付けられたカメラ(GPSセンサー、16GBメモリーを内蔵)が、フロント風景を映し出す。この用途は、事故などの衝撃を感知した場合に、自動記録モードとして衝撃前30秒、後60秒の動画を記録するいわゆるドライブレコーダーの役割を果たすほか、ボタンを押すことで写真を記録し、SNSなどでシェアすることが可能になる。

また、GPSセンサーにより、アプリを使えば自車位置を捕捉することも出来るという。

“普通の”オートマティックで裏道もすいすい

前置きはこのくらいにして走り出してみよう。C3の置いてある場所からは、細い裏道をいくつか抜けて幹線道路に出なければならない。その間、歩行者をはじめ、多くのことに気を付けなければならず、さらにはクルマに慣れていないため気が抜けないのだが、さすがはパリの裏道をも小気味よく走り抜けるC3だけあり、コンパクトなボディを生かしてスムーズに幹線道路までテスターを導いてくれた。

ここでおや?と思われた方もいるだろう。そう、先代C3は悪評高きセミオートマチックで、発進停止がぎくしゃくするうえ、アイドルストップとの相性も悪く、こういったシチュエーションが最も苦手だったのだ。

>>シトロエンC3/DS3/プジョー208 新型3気筒 1.2リッターエンジン+ETG5搭載車 試乗レポート

しかし新型ではそんな心配はほぼ不要である。ここで“ほぼ”と書いたのは、2速、20km/h前後で走行すると軽くぎくしゃくした挙動を発生しがちだったからだ。それを除けば過去の悪癖はきれいさっぱり消え失せている。

エンジン性能は必要にして十分

さて、幹線道路に出て、アクセルを踏み込んでいくと、エンジン性能は必要にして十分であることがわかる。2000rpmから2500rpmくらいでどんどんシフトアップしていくのだが、少しアクセルを踏み込めば、積極的にシフトダウンも行われるため、車線変更時の加速等も非常にやりやすい。

この印象は高速道路においても同様だ。100km/hでのエンジン回転は約2000rpm。それなりにロードノイズは入ってくるものの、このセグメントのクルマとしては十分静かといえるだろう。

シトロエン/C3
シトロエン C3カタログを見る
新車価格:
311.7万円320.7万円
中古価格:
25万円315.6万円
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内田 俊一
筆者内田 俊一

1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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