クライスラー 300C 試乗レポート

クライスラー 300C 試乗レポート
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リカで大ヒットのクライスラー 300Cが日本上陸

フロントビューリアビュー

アメリカ自動車メーカー(ビッグ3=GM、フォード、ダイムラー・クライスラー)のなかで、クライスラーが一番元気だ。その理由は、この300Cが大ヒットしているから。04年4月にアメリカで発売され、12月までに11万3000台を販売した。この大ヒットのおかげで、日本への導入が当初の予定よりも3カ月以上も遅れてしまったのだ。

300Cの人気のポイントはスタイリングとメカニズムだ。

スタイリングはPTクルーザー、クロスファイアと同じく、50~60年代のアメリカ車のイメージに現代のデザインセンスを採り入れている。角ばったボディ、高いウェストライン、小さめのウィンドは、ホットロッドクーペに近いイメージでもある。

メカニズムでは、後輪駆動にV8、5.7Lという大排気量エンジンを組み合わせたのがアメリカ人の郷愁をさそっている。

車格と価格のバランスを考えると日本でもヒットの要素は大きそうだ。

ダイムラーが熟成を重ねてきたシャシーを採用し、広々とした室内空間を実現させた。

インテリアフロントシート

ボディサイズは全長5020mm、全幅1890mm、全高1490mm。国産車と比較するとセンチュリーよりも小さい。ただしホイールベースは3050mmもある(センチュリーでも3025mm)。このロングホイールベールは、室内の広さになる。駆動方式は後輪駆動。クライスラーのFR車は久々の登場だが、実はこのシャーシはダイムラーの力が入っている。つまり、旧Eクラスのシャーシを利用して、ロングホイールベース化しているのだ。ダイムラーが熟成を重ねてきたシャーシを300Cは採用した。

当然、各種の電子制御装置も使用している。ボディの安全性もメルセデスベンツレベルに仕上げられているのは言うまでもない。

インテリアは2トーンカラーで演出され、ホワイトメーターが目につく。室内はフロント、リアシートともに広いが、天井はやや頭に迫っている。トランクも広い。

エンジンはV8、5.7LとV6、3.5Lの2本立て。ミッションは5速ATが付く。

燃費向上と環境重視のエンジン。加速も思いのほか軽快だ。

エンジン走り

エンジンはV8、5.7LとV6、3.5Lの2種類。ミッションは5速AT。このATもメルセデスベンツと共通だ。

V8エンジンは、パワーが不要なときは4気筒分が休止する可変シリンダーシステムを採用するなど、燃費向上と環境重視の思想を採り入れている。このあたりもダイムラーの考え方が入っているのだ。

V8は340馬力、53.5kgm。V6は249ps、34.7kgmを発生する。

試乗はV8、5.7Lから。Dレンジでアクセルペダルを軽く踏む。トルクは2000回転から盛り上がり、一気に5500回転まで上昇して、加速する。その動きは、とてもセンチュリークラスとは思えないほどに軽快だ。

ハンドリングはメルセデスベンツEクラス(旧)を利用したシャーシなので、ワインディングでもこれまでのアメリカンセダンとはレベルが違う。ただしロールはやや残されており、アメリカンな味付けも楽しめるのだ。

走りの味つけはアメリカ車のスポーティセダンだが、ソフトな一面も残っている。

トランクルームタイヤ

走りの味つけは、アメリカ車のスポーティセダンレベル。最近、キャデラックはドイツ車的な味付けにはしっているが、クライスラーは、そこまでヨーロッパ車的ではない。

コーナーでのロールも小さくはない。アメリカ車のソフトさもきちんと残している。

ボディサイズは、センチュリーよりも小さいので、日本での使用にもあまり困らないはずだ。ボディスタイルが角ばっているので、見切りもよいので、扱いづらさはない。

燃費を気にする人には、V8の4気筒休止システムは有能だろう。カタログ上の10・15モード数値は6.4km/L。ちなみにセンチュリー(V12、5L)は7.2km/Lだが、これは日本式の計測値。実際の走行では、300Cはもう少しよくなる。

車両価格はV8が567万円、V6は462万円。これはサイズ、車格、装備を考えるとかなりお買得といえるプライスではないだろうか。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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