シボレー エクイノックス 燃料電池車 試乗レポート(2/2)
- 筆者: 石川 真禧照
クルマの完成度はまだまだだが今後に期待がかかる
エクイノックス 燃料電池車の最新モデルは、航続距離もデビュー当時の320kmから420kmへと100kmも延びている。
発表されている正味出力は127馬力。車両重量は明らかにされていないが、ノーマルのエクイノックスよりも約300kg重いというから約2トンの車両重量になる。なにしろパワーユニットだけで240kgもあるのだ。
エンジン、ではなくパワーユニットを始動させる。始動はEVと同じようにプッシュボタンを押すだけ。シフトレバーを走行モードにしてアクセルペダルを踏み込むと同時に、エクイノックスは素早い加速を開始する。
足回りの重さは多少感じるものの、車重2tを超えるクロスオーバー車とは思えない軽快さを見せる。スタートした時の動きは、車重2.3tで510馬力のメルセデス・ベンツ ML63AMGよりも速い。乗り心地は固めで、ソリッドな振動が伝わってくる。
タイヤは、P225/60R17サイズのグッドイヤー インテグリティというオールウェザータイヤを装着していた。
エクイノックス 燃料電池車の実用化がいつ頃になるのかを考えてみたが、今回試乗したクルマの印象からすると、まだまだといったところだろう。
例えば、クルマを停めて車外に出るとジージーッという音が車体から聞こえてくる。これは水素から発電する部分のポンプやバルブの音だ。インジェクターの音もする。停車しているのに、いろいろな音がするのだ。
このような音は、燃料電池スタックの改良や新型でかなり解決するという。さらに、システムも「第2世代」が間もなく実用化される。
第2世代では重量が130kg未満になり、かなりコンパクトになるのだ。そうなれば、走行性能も向上しより実用化に近づくはず。
さらに、水素貯蔵容器も現行のタイプ3からタイプ4になる。タイプ4は貯蔵密度は変わらず、重量は20%減少するという。
クルマとしての完成度はまだまだだが、将来のGMのクロスオーバー車などの大型車は燃料電池が主流になることは間違いなさそうだ。
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