【試乗】シボレー 新型 コルベット(C7)に隠されたMichelin(ミシュラン)との開発ストーリー/今井優杏(1/2)

  • 筆者: 今井 優杏
  • カメラマン:和田清志・Michelin
【試乗】シボレー 新型 コルベット(C7)に隠されたMichelin(ミシュラン)との開発ストーリー/今井優杏
シボレー 新型 コルベット(C7) シボレー 新型 コルベット(C7) シボレー 新型 コルベット(C7) シボレー 新型 コルベット(C7) シボレー 新型 コルベット(C7) シボレー 新型 コルベット(C7) シボレー 新型 コルベット(C7) シボレー 新型 コルベット(C7) シボレー 新型 コルベット(C7) シボレー 新型 コルベット(C7) シボレー 新型 コルベット(C7) 画像ギャラリーはこちら

新型 シボレー コルベット C7に隠されたもうひとつの開発ストーリー

シボレー 新型 コルベット(C7)

同車史上最強ハンドリング性能を持つ新型「シボレー コルベット」C7(以下C7)について、その強烈な魅力は先日記事を公開したばかりだが、実はもうひとつ、このクルマに隠されたストーリーがあるので追記したい。

ちょっとマニアックなお話なんだけど、このプロジェクトに関するそれがちょっと近年例を見ないくらいピュアな情熱に支えられていて、いたく感動しちゃったのだ。どのクルマにもドラマは必ず内包されているものだけど、こうやってこの子は市場に出て来たんだな~、ということを知ってもらえたら嬉しい。

シボレー 新型 コルベット(C7)

ご存知の通りクルマの性能・性格を大きく決定付けるパーツのひとつとしてタイヤの存在を無視することは出来ないのだが、C7(もちろん最上級スポーツグレードであるZ51も含む)にはミシュランのランフラットタイヤ『Michelin Pilot Super Sports ZP(ミシュラン パイロット スーパースポーツZP)』(以下PSS ZP)が装着された。

そのタイヤがあるからこそ、試乗記で述べたスッキリしたクリアなハンドリングが体感出来るのだし、有り余るトルクをしっかりと地面に伝えることが出来るのだ、というのは言うまでもない。

シボレー 新型 コルベット(C7)に隠されたMichelin(ミシュラン)との開発ストーリー/今井優杏 4

モデル名の最後の“ZP”は“zero pressure”、つまりランフラットの方式のひとつであることを示す。

ランフラットタイヤとは、パンクして空気が抜けるような状況においても走行を続けられるタイヤのことで、特に欧州車において近年急激に装着シェアを伸ばしている(レクサスもISからブリヂストンのそれを装着するなど、もちろん国産車にもその流れは波及しつつある)。

その理由としてパンクした際、日本の高速道路ほど路肩スペースが確保されておらず、また道路照明灯もかなり少ない(どころか真っ暗なところも多い)欧州では、パンクで走行不可能となったときドライバーが車外に出ているところをはねられる、また真っ暗な路肩で強盗に襲われるなど、二次事故が深刻だったことなどが挙げられる。

その点ランフラットなら次のパーキングエリアや自動車整備工のところまで100km程度は走ってくれるというのだから安心やないの、というわけだ。

しかし、残念ながらまだ成熟している技術とは言えず、通常のラジアルタイヤとの乗り味の差は、改善されているとはいえ歴然としているのが現状だ。

ラジアル構造を普及させたパイオニア、”Michelin(ミシュラン)”

シボレー 新型 コルベット(C7)に隠されたMichelin(ミシュラン)との開発ストーリー/今井優杏 6

しかし私は、このミシュランとC7とのパートナーシップのプレゼンテーションを受けながら一抹の違和感を覚えていた。

以前フランス・クレルモンフェランのミシュラン本社に取材で訪れた際、技術者へのインタビューの中で、ミシュランは市販タイヤだけでなくコンペティション分野においてさえ、ランフラットタイヤへの取り組みを否定していたことを思い出したからだ。

時代が進み、ここまで業界がランフラット開発に関わる以上、ミシュランだっていつまでも駄々をこねている場合ではないから、現在はミシュランもランフラットタイヤを製造している。世界屈指の開発力を持つ巨大な研究施設が急ピッチで開発を重ね、今やラインナップも増えている。

しかしミシュランがランフラットをあまりやりたがらなかったのは、乗り心地のせいだけじゃない。ご存知の方も多いと思うが、このミシュランこそが会社設立から実に100年という歴史の中で、近年のタイヤづくりの常識となったラジアル構造を完成させ、世に普及させた第一人者かつパイオニア。ラジアルのスペシャリストだからなのだ。

ランフラット、特に今回比較すべきは同社ZPは、実はその構造自体がまったくラジアルと異なる。ミシュランが揺るぎない最大の自信と実績を以て市場に送り出して来たタイヤを、持論を、ある種裏切るような構造が必要になるということだ。

そのミシュラン禁断のランフラットを、なぜC7に持って来たのか。

[次ページへ続く]

1 2 次へ

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

新車・中古車を検討の方へ

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

シボレー コルベットの最新自動車ニュース/記事

シボレーのカタログ情報 シボレー コルベットのカタログ情報 シボレーの中古車検索 シボレー コルベットの中古車検索 シボレーの記事一覧 シボレー コルベットの記事一覧 シボレーのニュース一覧 シボレー コルベットのニュース一覧

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる