シボレー 新型コルベット(C7)試乗レポート/西川淳(3/3)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:ゼネラルモーターズ・ジャパン
むろん、7MTのZ51でも、スポーツカーとしての感動は変わらない。ハンドルに“付いたまま”のパドルシフトを引くとシンクロレブ機能が働く。各段に気持ちよくきれいに吸い込まれるシフトフィールもまた絶品だ。強力なV8エンジンを手足で操るという楽しみもまた、捨てがたい。けれども、新型のレベルにまで性能が上がりすぎてしまうと、3ペダルの操作を駆使して気持ちよく操るには限度というものがある。総合的にみて、ステアリング操作に集中できるAT仕様の方が好ましい。これもまた、最新ハンドリング性能の証ではあるまいか。
もっとも、Z51であっても、エコやツアーといったモードを選べば、穏やかな表情のグランツーリズモに徹する。眠気を誘うほどの快適さだ。新型C7のウリは、極上のGT性能と、絶品のFRスポーツ性能の両立にこそあった。
もう決して、アメ車のスポーツカーだなどと侮ってはいけない。そのパフォーマンスはジャガー「Fタイプ」やポルシェ「911」に匹敵するもので、しかも、欧州勢に比べれば日本でもアフォーダブルな価格設定になることだろう。
こんどこそ、アメリカ人だけに楽しませておくのはもったいない話である。
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