【発表会】シボレー 新型 コルベット コンバーチブル(C7) 発表会速報(1/2)
- 筆者:
- カメラマン:松永和浩 レポート:松永和浩
ルマンマシンとの同時開発
ゼネラルモーターズ・ジャパンはすでに4月から発売されているシボレー コルベット クーペに続き、6月14日、 “浅間ヒルクライム”会場で、5月24日から日本発売が開始されたシボレー コルベット コンバーチブルを日本における初公開を行った。
商品説明を行ったゼネラルモーターズ・ジャパンコミュニケーションズ/R&Dサイエンスオフィスディレクターのジョージ・ハンセン氏は「シボレー コルベットは、1953年、ニューヨークのウォルドルフアストリアホテルで発表され、約60年という長い歴史を持っている。その1953年のシボレー コルベットはコンバーチブルとして登場し、その後のモデルにも必ずコンバーチブルが用意され、コンバーチブルは非常に重要な柱だ」と語った。
その証拠ともいうべきだろうか、シボレー コルベットはその開発においてクーペ、コンバーチブル、そしてこの浅間ヒルクライムでお披露目のあった6月14日にスタートするルマン24時間レースに出場し、GT PROクラスで2位となったコルベットC7Rが同時に開発された。同時開発の成果としてコンバーチブルはクーペの車体重量に対して10kgの増加にとどまる1590kgという軽量を実現している。
誤差のごとき微増の車体重量の秘密は強靭なアルミモノコック
クーペモデルのコンバーチブル及びオープン化には通常、安全性や剛性確保のために大幅な重量増の補強が行われる。しかしシボレー コルベットが、クーペ比でプラス10kgという誤差のような微増でコンバーチブルを開発できた理由は、その構造で、それこそルマンで表彰台にあがることの出来るマシンと共通した総アルミ製モノコックが十分以上の強度と剛性を持っているために、幌製ルーフトップを収めるためのトランク周辺の構造変更とシートベルトマウントの位置変更を行っただけで商品として充分機能できる車体強度と安全性を得ることが出来たことだ。なおかつ、このアルミモノコックは横転時のロールオーバーバーも兼ねるという強力なもの。他のメーカーの大部分のコンバーチブルやオープンモデルのように剛性確保のために大幅な補強改修を、コルベットは必要としなかったのだ。
コンバーチブルらしいデザイン
日本での初公開には、2代目コルベットスティングレーコンバーチブル(C2)も参加し、その歴史的、伝統的なつながりを強調した。
ジョージ・ハンセン氏は、「この2台は、精神的な面において、似ているところがたくさんある。2世代目コルベットも今回の7世代目も、白紙から、まったく新しく開発されたものだ」と語った。しかし「サイドから見ると、長いフードラインが非常に似ている。しかも、そこに搭載されるV8エンジンという形式も共通だ。これこそが、アメリカのスポーツカーのシンボルとなるシボレーコルベットなのだ」とも語る。
その通り、今回のシボレー コルベット コンバーチブルは非常に低く長いフロントセクションがコンバーチブルとなってより強調された印象を得る。オープンとなった状態では、そのシルエットは非常に低く、それでいて非常に力強い。その力強さはフロントとリアのフェンダーを形作るラインのボリューム感にあると思われるが、今回のコルベット コンバーチブルはそのフェンダーラインの中にレーシングテクノロジーが包み込まれているのだから見掛け倒しとは訳が違う。特にスポーツ性を強めたグレードであるZ51の場合、リアフェンダーは電子制御LSDとミッションの双方に冷却風を送るために最適化された形状なのだ。ルマン出場マシンからのフィードバックがそこにあることはいうまでもない。コンバーチブルといえどもコルベットはレーシングテクノロジーが生きているのだ。
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