シボレー カマロSS RS 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 金子 浩久
- カメラマン:オートックワン編集部
カマロは21世紀のアメ車と化していた
2011年型のカマロSS RSは全然違っていた。カッコこそ派手で、大袈裟で、ボディ全幅も1.9メートルを超えていて、乗るまでは“やっぱり、アメ車だもんな”と半ば甘く考えていた。でも、乗って、ビックリした。
まず、ステアリングフィールがしっかりとあるのに感心した。どっちにどれだけ切れているのかわからないような、フィールに乏しいアメリカ車が少なくなかった中で、カマロSS RSはタイヤとクルマがどういった状態にあるのかがよくわかるのだ。大きなボディなのに、神経が隅々にまで行き渡っている感じがして、これだけでクルマとの一体感が増してくる。
次に、うれしく驚いたのは、乗り心地がマイルドなこと。昔のアメリカ車はフワフワなだけでいつまでも揺れが収まらなかったが、カマロSS RSの柔らかさの中には、ちゃんと芯がある。だから、無駄な姿勢変化が最小限に抑えられるから、高速道路に乗っても快適そのものだ。
新しいカマロには、2種類のエンジンが用意されている。このSS RSが搭載する6.2リッターV8と、LT RSに積まれる3.6リッターV6。V8の最高出力405馬力を5900回転で、最大トルクの56.7kgmを4300回転で発生している。
アメリカンV8というと、現代のエンジンでもシボレー・コルベットのV8のように猛々しい排気音を吐き出すものがあるが、カマロのそれは行儀がいい。明確なビートとリズムは刻みながら、大人しくて控え目。モノ足りなく思うファンもいるかもしれないけど、僕はこれくらいが新しいアメリカ車なのだと思う。
そう、カマロSS RSは、21世紀のアメリカ車なのだ。 荒木一郎がカマロに乗っていた頃のアメリカ車とは、まったく違う。 変わったのはアメリカ車だけでなく、日本車だって、ヨーロッパ車だって変わった。
「空に星があるように」がレコード大賞新人賞を獲ってから46年も経っているのだから、変わっていない方がおかしい。社会も、人々の暮らしも変わって、カマロも変わったのだ。
この記事にコメントする