キャデラック 新型 CTS[3代目・2014年モデル] 試乗レポート/今井優杏(1/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:和田清志
新世代キャデラックの象徴「CTS」がフルモデルチェンジ
実に111年という歴史をもつ同ブランドの中で、グローバルを意識し2003年に作られた初代「キャデラック CTS」は、これまでのキャデラックが市場に与えていたイメージ……デカくて扱いにくくて愚鈍、をブレイクスルーした最初のモデルだ。
長年続いたあまりにティピカルなクルマづくりのせいで従来の顧客がどんどん高年齢化し、若年層の深刻な顧客離れに悩まされたキャデラックは、とうとう生き残りのために大幅な若返りを図ることを決断した。そして欧州の新規顧客をもターゲットに含む、幅広いユーザーのライフスタイルに添うミッドサイズ・セダンを作り上げたのだ。
つまり“程よくコンパクトでハンドリングがよくて若々しい”という、新しい世代のキャデラックを背負って立つ使命を生まれながらに持っているのがCTSなのである。
そのCTSが3代目となるフルモデルチェンジを果たした。
今風で格好良く、それでいてちゃんと「キャデラック」
おお! 目の前にすると独特のオーラを持つ佇まいに思わず声が出ちゃう。
あまりにも上手に先代デザインのイメージを踏襲しているため、単体で見るとどこから見てもCTSであることに間違いはないのだけど、並べれば一目瞭然に『今風に』進化しているんだもの、かっこいいことこの上ない。
縦型のヘッドランプなんてその典型で、こんな風にHIDやLEDライトで個性を出すのはここのところのグローバルの定番テクではあるんだけども、新しいのに不思議と“ちゃんとキャデラック”に仕上がっているのは、旧知のファンにも喜ばしいコトなんではないかと想像する。
グリルも代を追うごとにビカッと輝きを増しているが、いかにもアメリカ車らしい華美さには潔ささえ感じて清々しい。世界の動向なんて鑑みず、このままずっとこのギラギラ路線を貫いて欲しいと願うばかりだ。
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