2009年上半期ベスト・バイ・カー【輸入車】/岡本幸一郎
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:アウディジャパン株式会社/小宮岩男/オートックワン編集部
トータルベストカー/アウディ A4 2.0TFSIクワトロ
実は、メルセデスEクラスを選ぶか、かなり迷ったのだが、コストパフォーマンスと、現状でいかに不満点が少ないかなどを勘案して、僅差でこちらを選んだ次第。
現行A4の完成度の高さは、すでに1.8TFSIや3.2FSIで重々承知していたわけだが、約1年後に追加された2Lのクワトロモデルは、やはり予想どおり「本命」だった。
無論、同時にデビューしたS4のほうが性能も味も格段に上だが、A4はそれに準じるテイストを3分の2の約500万円という価格で味わえるところがいい。
2L直噴ターボエンジンの性能は十分に高く、最新のクワトロシステムがもたらす走りは、安定性に優れるだけでなく、FRなみに運動性能も高い。
A4の中では、3.2を買うなら頑張ってS4を、1.8を買うのであれば頑張って2.0を買いたいところであり、要するにA4を買うなら2.0がベストに違いない。
ベストドライビングカー/BMW Z4
絶対的な性能の高さでいうと、もっと上の車種もいっぱいあるけど、このクルマでは「走る」こと自体が本当に気持ちいい。
それはオープンだからとか、エンジンが速いからという単純な理由だけではない。
ハンドルを切ったときの反応や、よく動くサスペンションがタイヤを巧みに路面へと追従させ、エンジンパワーをトラクションに換えるという一連の流れにおいて、本当に気持ちよさを感じさせてくれるクルマに仕上がっている。
また、スポーティ=固い足という概念を根底から覆した乗り心地の良さと、それをランフラットタイヤで実現したということにも感心させられた。
Z4は、35iのちょっと過剰演出気味のドライブフィールも刺激的で楽しいが、個人的には23iの軽快な走りに好感を抱いた。
ベストデザインカー/アルファロメオ 8C スパイダー
ファンの方には申し訳ないが、屋根付き版の8Cコンペツィオーネについても、ユニークではあるけど、あまり特別な感情は持っていなくて、このスパイダーについても、先に写真を見たときに、なんかオモチャっぽいな~と思っていた。
ところが、MiToと同時に六本木ヒルズで行なわれた発表会で実車を見て、「なんて素晴らしいデザイン!」と印象がガラッと変わってしまった。
8Cコンペツィオーネよりもグラマラスさが強調されていて、個性的で迫力あるシルエット。
さらに、インテリアもエンジンルームも細部にいたるまで「見られる」ことを意識してデザインされている。
実車を目にすることのできる機会が非常に限られてしまうモデルだが、ひとりでも多くの方にそのチャンスが訪れることを願います。
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