BMW Z4 試乗レポート

  • 筆者: 森 慶太
  • カメラマン:難波健二
BMW Z4 試乗レポート
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SLKやTTよりも格上ですよ

フロントスタイリングリアスタイリング

次期3シリーズが4シリーズになることはまずないけれど、Z3の2代目はZ4になった。

英語版のプレス向け資料には、直訳すると「新世代のZ4ロードスターは、既存のZ3からこの市場でのハイエンドへと大きく車格を上げた」という記述がある。つまりこれ、「新しいZ4はメルセデスのSLKやアウディのTTよりも格上ですよ」ということをいっているのではないか。

ノーズが長くて、かつドライバー乗車位置が後輪直前、という古典的な、あるいは少々マンガ風に極端なスポーツカー体型は旧型ゆずり。ただし、Z4はその基本ハードウェアがガラリと変わった。Z3では基本は旧々型3シリーズの土台を使っていたけれど、こんどはそこから2世代以上、ほとんど3世代ぶんほど新しい。エンジンは車格の向上に伴って、直列6気筒のみ。もちろん後輪駆動。排気量は2.5と3.0があって、これは3.0のほうです。

スペアタイヤはついてない

インパネシート

ハンドルはチルト、およびテレスコピックの両方を調整可。それもあって、運転姿勢はきわめて良好かつ自然にキマる。クルマと高度に一体化できて、なおかつ風を切って走る爽快感も(ロードスターらしく)ちゃんとある、というなかなかイイ感じのコクピット環境。見た目の体型はけっこう極端だけれど、車両感覚はパッと乗った瞬間から違和感なし。ちょっと狭苦しかったZ3と較べ、室内は確実に快適。この個体はオプションの豪華内装を選んだ仕様で、ウィンドシールドを囲むAピラーやフレームの内張りまでもがびっちり本革だった。

長いノーズからはじまる極端な体型が印象的なZ4、実は全長4mちょっとでしかない。そのなかでなんとか実用的な荷室を確保するために、ということもあったのかスペアタイヤは潔く(?)ナシ。そのかわり、履いているタイヤはランフラット(BS製)。パンクしても、近くのタイヤ屋さんまでは(ゆっくりとなら)走って行ける。

FRロードスターのお手本のような走り

試乗エンジン

3.0iの標準仕様が履くタイヤは前後225/45R17。この個体にはオプションの前225/40R18+後ろ255/35R18がついていた。しかもパンクしてもペチャンコにならないランフラットなので、冷えているときの乗り心地はかなりキツい。それが、温まるとともにどんどんよくなる。私がディーラーの営業マンだったら、この仕様をお客さんの試乗に供する場合ぬかりなくウォームアップを済ませておくと思う。

ボディのカッチリ感はオドロキの高水準。悲しいブルブルやユサユサは心配しなくていい。最初から屋根開き前提で車体が設計されていることの強みだ。また、違和感ほとんどナシの電動パワステは「さすがビーエム」。

操縦性や安定性はこれまたかなりの高水準で、絵に描いたように楽しいスポーツカー・ドライビングをおよそどんな人でも、もっといえば初めて乗った直後からでも満喫できる。車重は1.4トン弱なので、3.0iだと全域でかなり速い。

最高にオイシイZ4選びとは?

ヘッドライトテールランプ

今回の3.0iには96万円ぶんのオプション装備がついていた。標準で550万円だから、つまり合計646万円。世界最高のスポーツカーで荷物関係の実用性もZ4より少しだけ高いボクスターがいちばん安くて550万円から買えることを考えると、ちょっと「うーむ」。ディーラー在庫からではなく色や装備を自分で選んで決めて買うことができる、というのはZ4の大きな魅力なのだけど。

私のオススメは、Z4に関してはむしろ2.5iのほう。ロードスターとして、それでほぼ完璧に楽しい。 2.5iの標準仕様は割安感ある450万円で、ただし3万円アップの全自動ソフトトップだけはゼッタイつけたい。開閉がとても速くて(なにせ10秒もかからない)最高だから。太くてペタンコなタイヤや豪華な内装はどうでもいいし、モーレツな動力性能も必須ではない。でも、この全自動ソフトトップはロードスターに乗る楽しさを確実に何割か向上させてくれる。

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筆者森 慶太
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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