Mのハイパフォーマンスを日常に／BMW X4 M40i 試乗レポート(3/3)

しなやかで上質な乗り心地

そんなX4 M40iを実際に走らせると、そのスムーズさに感動する。ドライブモードを“コンフォート”にして走り出すと、アクセルをはじめ各操作系はジェントルに働く。「Mらしさ」というよりは、BMWのいいところが出ているといった印象だ。

というのも、とにかく乗り心地がいい。前後20インチ、さらには前ヨンマル、後サンゴーというロープロファイルでありながら、ありがちなサイドウォールのコンパウンドの硬さがそのままお尻に伝わったりはせず、しなやかさが前面に出されていた。

また、コーナーでは多少ロールするもののそれも許容範囲。S字コーナーでキャビンが遅れて揺り返すことなく、左右にヒラリヒラリと傾かせながらラインをきれいにトレースする。

背の高さを感じさせない身のこなしに驚く

そしてドライブモードを“スポーツ”にすると、性格が変わり足を踏ん張ったままフラットライドでコーナーへ入っていく。特性としては弱アンダーステアといったところだろうか、アクセルのオンオフで鼻先の向きを変えながら走る感じがなかなかいい。

このときのGフォースの立ち上がりも特筆モノ。これが背の高いクルマ？といったくらい自然だ。ワインディングを長く走っているとXシリーズであることを忘れてしまったほどである。

高いステアリングの操作性と気持ちのいいフィールは、セダンの「3シリーズ」にも届きそうな仕上がりと言えそうだ。

価格は悩ましいが、それだけの価値がある1台

といったところがX4 M40iの走行特性。トータルで手が入った“Mパフォーマンスオートモービルズ”は明らかにスタンダードモデルよりひとつ上の走りを持つ。

ただ、そうなってくると値段もそれなりで、プライスタグは863万円。上級クラスの「X5」も視野に入ってくるから、少々悩みどころとなる。

とはいえ、Mの魔法はなかなかのもの。実際にステアリングを握れば、その価値はおわかりいただけるはずだ……。

[レポート：九島辰也]

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