BMW 新型X3試乗レポート｜事実上のX3.5か！？進化するBMW SUVヒエラルキー！読めないBMW SUVヒエラルキー！(2/2)

やっぱりBMWはFRベースが一番！

なにより格の違いを感じさせるのは走りよね。FF化した現行X1も悪くないし、確かにBMWらしいシャープさを感じさせるけど、味ツケが少々わざとらしい。足回りの硬さ、つっぱり感が若干FF車でありながら、FR車っぽいテイストを出すための濃すぎる演出という気もしてくる。

ところがX3はまさにセダンがそのまま背が高くなったような…と言いたくなるほど味わいが自然。厳密にはSUVとなって4WD化していることもあって、純粋FRセダンの５シリーズや７シリーズほどのダイレクトかつヴィヴィッドなステアリングフィールは味わえない。しかし、今や1.8トンレベルに達する背の高い大型SUVでありながら、ステアリングをすっと切り込んだらすっとノーズが付いていく様はまさしくリアルBMW！ 間違いなく駆け抜ける歓びだ。

乗り心地もセダンほどしなやかではないが、SUVとしては完璧トップクラスの上質感に静かさ。

一方、そうなると少々不満を覚えるのがパワートレインで、とりあえず真っ先に入ってくるのは最もバランスのいい190psの2リッター直4ディーゼルターボモデル。400Nmの巨大トルクをわずか2000回転弱で発揮し、レスポンス、出足は申し分ないんだけど、このサイズ、重さをひっぱるとなると圧倒的とまでは言えない。

本当に飛ばしたい人はそのうち出てくる3リッター直6ターボモデルの方がいいかもしれないけど、まあ安全な日本で走るのなら2リッターターボで十分なのかも？とも。

それと5&7シリーズとプラットフォーム共通ってことは先進安全やセミ自動運転技術も推して知るべしで、その全車速で効くドライビング・アシスト・プラスは凄い。緩い高速ならばほとんどの場面でマシンに任せられる上、緊急時の被害低減ブレーキにも期待できる。

とはいえ、この辺りはライバルたるボルボ XC60も凄く攻めた設定にしてきていて侮れない。

今後この辺りのプレミアムSUVの戦いはますます激しくなる！と小沢は言っておきましょう。

[Text：小沢 コージ　Photo：茂呂幸正]

BMW 新型X3の主要スペック

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