BMW M サーキットデイ 2010 -Mモデルの魅力-(3/3)
- 筆者: 西川 淳
夢見心地のMモデル乗り比べを終えて
もっと驚かされたのが「X6M」だった。
このクルマ、車高も車重もM3やM6の比ではない。サーキットで楽しむためにはエンジン出力よりもクルマのバランスの方が大切だ。
たとえ高出力の直噴V8ツインターボエンジンを積んでいるとはいえ、物理の法則に照らし合わせて考えれば、とてもじゃないがサーキットで楽しめるようなクルマではなかろう・・・というのが試乗前の正直な気持ちだった。
しかし、驚天動地とはこのことだろう。その身のこなしは全くもってスポーツカーの「それ」で、背が高いことによる不快なロール感など微塵もない。
視点が高いぶん、かえってコーナーが攻めやすいくらいだ。なるほどブレーキングのタイミングはM3のようにはいかないけれども、少し手前に意識さえしておけばコントロール性も良く、効きも十分。
何より、迫力のターボパワーが2トン以上の巨躯をものともせずに、すさまじい弾丸加速をもたらしてくれる。これはもう事件である。
夢見心地のMモデル乗り比べを終えると、ビッグなニュースが我々を待ち受けていた。
M3生誕25周年を記念する「M3クーペコンペティション」が正式に発表されたのだ。
カーボンパーツが映えるファイアーオレンジに塗られた特別なM3。足回りや電子制御のセッティングも専用である。サーキット試乗で弾んだ心が、さらに高鳴った。
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