[試乗]「3シリーズツーリング」「Cクラスワゴン」「V70」人気欧州ステーションワゴン車 徹底比較(3/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正・和田清志
3シリーズツーリング/Cクラスワゴン/V70 徹底比較[エンジン・走行性能編]
次は、3台の走行性能を比べてみたい。
3シリーズツーリングで試乗した320i xドライブツーリング スポーツは、直列4気筒の2リッターエンジンにターボを装着している。最高出力は184馬力(5000回転)、最大トルクは27.5kg-m(1350~4600回転)。ターボの装着で最大トルクを2.7リッター並みに高めたが、動力性能は比較的大人しい。
それでも実用回転域の駆動力に余裕があって加速性能は十分だ。ATは8速だから、動力性能を高めたい時には高回転域が維持されて活発な加速が行える。回転感覚も滑らかで、ベーシックなエンジンでありながら上質に仕上げた。
静かで非常にパワフル! 魅力的なCクラスの最新ディーゼルエンジン
Cクラスワゴンは、C220dステーションワゴンスポーツだから、直列4気筒 2.2リッターのクリーンディーゼルターボを搭載する。最高出力は170馬力(3000~4200回転)、最大トルクは40.8kg-m(1400~2800回転)とされ、ディーゼルらしく後者の数値は4リッターのノーマルガソリンエンジン並みだ。
このディーゼルエンジンは、運転感覚が限りなくガソリンに近い。タコメーター(エンジン回転計)を見ると、レッドゾーンは5000回転以上だから、そこまでは回して良い。実際、Dレンジでフル加速すると、勾配の有無にもよるが4500回転前後でシフトアップした。
吹き上がりも滑らかで、ノイズや振動を小さく抑えている。低速で走る時はディーゼルだと分かるが、速度が高まるとタイヤが路上を転がる時に発する音などいろいろなノイズが混ざるため、ガソリンエンジンとの区別が付きにくい。
ATはギヤ比の割り方が細かな9速だから、変速時にはエンジン回転の上下動が抑えられてスムーズだ。軽くアクセルを踏んでいる時は低回転域が維持されて静粛性が優れ、深く踏み込んだ時は、高回転域を保つからエンジン性能をフルに引き出せる。
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