よりSUVらしく生まれ変わったBMW 新型 X1「xDrive20i xLine」を速攻試乗(1/3)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:茂呂幸正
え、これって「X5」!?
駐車場に並んでいた新型「X1」を見て、最初は「X5」だと思った。実際にはX5は駐車場の奥のほうにいて、大きさの違いを認識したのだが、スケール感を度外視すれば、とても似ていた。
旧型X1では、こうはいかなかった。縦置きエンジンで、直列6気筒を載せられるエンジンルームを確保していた旧型は、ノーズが長く、キャビンは後ろに寄せられ、背は低かった。1シリーズに似て、ちょっと変わったプロポーションだった。それがノーズが短く、キャビンが前寄りになり、一般的になったのだ。
新型X1のボディサイズは全長4455mm、全幅1820mm、全高1610mmで、旧型と比べると背が高くなったことが目立つ。おかげで一部のタワー/パレット式パーキングには入らなくなってしまったけれど、SUVらしく見せたいというメーカー側の考えは達成されていると思った。
乗り込んでみればすぐにエンジン横置き化のメリットを享受出来る
運転席に乗り込む。この段階では、横置きか縦置きかは分からない。ステアリングやペダルがドライバーのまっすぐ前にあるドライビングポジションを含めて、BMWらしさが行き届いている。でもセンターコンソール付近に目をやると、収納スペースが広く深くなったことに気付く。これは横置き化のメリットだ。
さらに恩恵を感じたのは後席だ。身長170cmの僕なら足が組める。着座位置は高くて見晴らしが良く、頭上も余裕がある。センタートンネルも低くなったので、短時間なら3人掛けも苦ではなさそうだ。しかもこの後席、オプションでスライド機構も付く。いちばん前にセットしてもひざの前には少し余裕が残るから、荷物が多いときはこのモードにすると良いだろう。
キャビンの広さだけで見れば、格上の「X3」より広いんじゃないの?と思うほど。伝統のレイアウトを継承しなかったおかげで、高度なスペースユーティリティを手にできたという図式は、ライバルの1台でもあるアウディの「Q3」と「Q5」の関係に似ている。
[2シリーズ アクティブツアラー等に続く横置き系パッケージ、その熟成度は・・・
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