BMW 新型EV「i3」(アイスリー) 国内試乗レポート/飯田裕子(2/3)

BMW 新型EV「i3」(アイスリー) 国内試乗レポート/飯田裕子
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“奇異”ではなく“好奇”の眼差し

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ではそのようにして造られたBMW i3とはどんなクルマなのか。

i3は、シティコミューターとしての活躍が期待されるコンパクトEV。それはBMW製EVとしてのみならず、様々なシーンで新しさが感じられるモデルでした。ドアを開けた瞬間や運転席に座ったときに目の前に広がるスイッチやメーター類、そして加速の速さ…。EVドライブが初めてではないワタシでもワクワクするムードを持っているのは期待通り、というべきでしょう。

キドニーグリルを含む顔つきはまさにBMW一族らしく、外観デザインの存在感や個性の強さは注目度も高い。というのも、屋久島の観光名所“大川の滝”でi3を停めた際に観光で訪れた老若男女が“奇異”ではなく“好奇”の眼差しでウォークアラウンドチェックしていたのです。一人のおじさんに「コレ、電気自動車なんですよ」と言うと、「ヘエ~」と驚かれて、してやったり、ムフフ・・・(笑)。

全長4010mm×1775mm×全幅1550mmのボディサイズは、国産実用EVモデルの「三菱 i-MiEV」(3395mm×1475mm×1600mm)と「日産 リーフ」(4445mm×1770mm×1545mm)の間に入るコンパクトモデル。背が高めなおかげで室内のパッケージングにも優れ、前後のドアが両開きするドア開口部の広さ、乗降性、そして後席の広さがヘッドクリアランスも含め十分。両開きドアはコンパクトなi3の後席でチャイルドシートの脱着やお子さんの乗降作業もしやすいというメリットもあります。

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インテリアはシンプルなカジュアルモダン系。

しかしシートに入ったシンプルな模様や、内装色とi3を象徴する水色の配色のバランス、多用しているダークグレーのモコっとした感触のケナフ材が、車内を安っぽくさせず温かみをプラスするように使われ、これまでのBMWにはない優しさと新しさが感じられます。

一方でドライバーが操作する部分では新しさの中にもBMWらしさあり。

シフトレバーはバイクのスロットルを開くようにまわして、D(ドライブ)やR(リバース)に切り替えるのが斬新。オーディオやナビのセットを行うダイヤルやスイッチは簡略化された3シリーズのものみたい。またBMWと言えば日本用にデザインされたルームミラー内臓のETCカードスロットがこのi3にも採用されているのです。そしてステアリング奥に配置された小ぶりの液晶が、様々なドライバーズインフォメーションを表示してくれます。

モデルラインナップはスタンダードモデルのEV(499万円[消費税8%込])と、BMWのスクーターに採用されている647CC 2気筒エンジンを発電源として利用するレンジエクステンダー装着モデル(546万円[消費税8%込])の2タイプ。EVの高速距離は1回の充電で130-160km(走行モードをECO PROモードにすれば約200kmまでも可能だとか)。レンジエクステンダーに至っては航続距離が最大300kmまで延長できるとのこと。

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ユーザー目線でのこだわりも強い、日本仕様

BMW 新型電気自動車「i3」(アイスリー)

さていよいよi3を走らせてみる。

EVであってもBMWらしさが随所に感じられるのですが、とにかく「ハヤッ(速い)、カルッ(軽い!」。

軽量にこだわった1260kgのボディに対し170ps/250Nmのパワーとトルクを持つi3は、EVらしくアクセル踏み込んだ瞬間からそのパワーソースをタイヤに伝えることができるのですが、その力強さと速さは想像以上。例えば日産リーフでは、車重1430kgに対し109ps/254nmと、単純に数値を比較してもそのパフォーマンスはちょっと想像できるのでは?

もちろんおだやかなアクセル操作を行えば、オーディオのダイヤルを調節するように自在なトルクと速度調整が可能。

BMW 新型電気自動車「i3」(アイスリー)

背が高めなフォルムながらリチウムイオンバッテリーを配置していることで下半身は安定し、ボディの重厚さを体感しながらもスムーズかつ頼もしい加速性能によってスイスイと走らせ、コーナーではキビキビと曲がる。

ステアリング操作に対する身のこなしも極めて正確で、乗り味の完成度の高さもBMWモデルらしく実感。乗り心地は少々硬めで特に大きな凹凸を通過する際にゴツンとくるものの、細かなコツコツは少なく不快感は少ないため、苦なく許容できる。

が、タウンカーとしてこの硬さは少し意外だったのでBMWの方にうかがってみると、「日本の立体駐車場に入るように全高を1550mmに抑えるために、本国でもまだi3に採用されていないBMWのMモデルに採用するようなスポーツサスをあえて採用しています。乗り心地の少々の悪化は織り込み済みで、日本の使用環境を優先したんです」とのこと。日本専用ETCスロットや本国でも未使用のサスペンションの採用など、日本仕様はユーザー目線でのこだわりも強いのです。

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飯田 裕子
筆者飯田 裕子

OL時代に始めたレース活動をきっかけに、クルマへの興味/関心を深め、フリーの自動車ジャーナリストに転身。自動車雑誌への執筆や自動車系TV番組出演などから、活動の場を広げ、現在では女性誌および一般誌、新聞、Web、ラジオ番組でのパーソナリティ、TV、トークショーと活躍の場は幅広い。ドライビングインストラクターとしてのキャリアも長く、自動車メーカーをはじめ、一般企業、保険会社、警視庁などが主催するスクールでの指導にも定評あり。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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