BMW i3 海外試乗レポート/日下部保雄(3/3)

BMW i3 海外試乗レポート/日下部保雄
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BMWらしい3つのドライブモードを設定

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i3の航続距離は前述したとおり約160㎞だが、これはエアコンなどをフルに使ったケースで、ナビに充電スタンドが常に表示される。アムステルダムは充電スポットが多数あるので、これを目安に移動するとまず大抵のところに行けそうだ。

高速道路へランプウェイからの進入も鋭い加速で容易に流れに乗れ、最高速度は150㎞/hで巡航できる能力を持つ。ただしこの速度域だと急速に電力を消耗する。

BMWらしくドライブモードがあり、通常は「Comfortモード」で走ることが多いと思うが、さらに「Eco-Proモード」と「Eco-Pro+モード」の3つのドライブモードを選べる。

Eco-Proは加速時の出力を抑えるモードとエアコンも規制して消費電力を抑制する。ただしフルに加速した場合は安全上からもComfortと同様になる。

いよいよ電欠しそうになったらEco-Pro+を選択すると更にアクセルを踏んだ時の出力特性を穏やかにし、最高速度も基本的に90km/hに抑えられる。またエアコン、ヒーターも止めるほか、LEDのヘッドランプも照射力を抑えて徹底的に電力の消耗を抑える。

日本では湿気が多いのでドライブモードはComfortの比率が高いと思われるが、欧州の乾いた気候ではEco-Proが選択されることが多そうだ。

エンジン振動がないので、ストレスがかからない

BMW i3BMW i3

i3はBMWのタグラインどおり、ドライブする楽しみを至る所に感じることが出来た。“さすがBMWだ”とハンドルを握りながら感心した次第である。

乗り心地は前後席共に快適だ。フロントシートはi3の為に新しいフレームで開発され、ホールド感、クッションストローク共に妥当だと思う。

観音開きのドアを開けて、後席に入るとシートの前後長さはそれ程ないが、長時間走行でも疲労感は少ない。レッグルーム、ヘッドクリアランスともに十分で、前席下につま先が入るので見た目以上にゆったりとしている。解放感も前席ほどではないが、意外と明るい。

ラゲージルームも広く、スーツケースなどの大きな荷物を収納するのも苦ではない。またリアシートバックは前倒するので、嵩張る荷物も積める余裕がある。

BMW i3

そして乗り心地の上下振動の吸収は節度感があるのも乗り心地が良い理由だが、もっとも大きいのはリーフでも味わったエンジン振動がないことによる、ストレスがかからないことだ。エンジン車に乗り慣れていると気づかないが、意外と振動による疲労感は知らず知らずに大きなものがある。

また、自分のi3の情報はスマートフォンでとることが出来る。これもリーフで経験積みだが、いろいろなクルマとのコミュニケーションができ、クルマ、電車の移動手段に関しても情報を取れるのが新しい。

日本には来年の春に導入されるi3。東京モーターショーで見ることができるので、実車をご覧いただきたい。それまでには日本での価格も発表になるはずだ。

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日下部 保雄
筆者日下部 保雄

大学卒業後、モータージャーナリズムの世界へ入り、自動車専門誌をはじめ各媒体に新車の試乗レポートやコラムを寄稿。最近では、雑誌媒体のほかにFMラジオやインターネット自動車情報サイトでも活躍。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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