BMW M6クーペ/コンバーチブル 試乗レポート/西川淳(2/2)

  • 筆者: 西川 淳
  • カメラマン:BMW Japan
BMW M6クーペ/コンバーチブル 試乗レポート/西川淳
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ワイドになって存在感の強まった新型M6

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旧型に比べると、随分と勇ましい面構えになった。ベースの現行6シリーズそのものが、くっきりとした目鼻立ちになったからだろう。エアインテークを備えた大型フロントエプロンと相まって、歴代モデルや現行Mモデルが並んだ試乗会会場でも、その存在の強さはひとしおda

フロントフェンダーはワイド化された専用品。ロッカーパネルもワイドで、トランクスポイラーやデフューザー、2×2本出しマフラーエンドなど、ノーマルモデルとの識別点は多い。また、アロイホイールのスタンダードサイズは19インチ。オプションで20インチも用意する。

インテリアもデザインそのものはノーマルモデルと同じ。カーボンファイバートリムで硬派なイメージを出しつつ、専用ディスプレイやスポーツシートでMにユニークな機能性も加えた。高級レザーマテリアルでラグジュアリーさも演出している。

Mの拘った直噴マルチシリンダーターボエンジン

BMW M6クーペ 走行イメージBMW M6クーペ 走行イメージ

まずは、M6クーペをサーキットで走らせた。1インチ大きな20インチタイヤ&ホイールとCCブレーキを積む、最高性能仕様だ。 サブフレーム直付けのフロントアクスルは旧型M6タイプをさらに進化させて強固にしたもので、絶妙にダイレクトなステアリングフィールを提供する。スポーツやスポーツ+といった“やる気”モードを選べば、M5よりも格段にスポーティなステアリングフィールを味わえ、鼻先の動きは実に小気味よい。

ストレートでフルスロットルを試した。もちろんモードはスポーツ+。ハードなセットは予めMボタンに覚えさせておくといい。ちなみにMボタンは二つあるから、もうひとつはソフトに振っておくなど、お好みでアレンジできる。

ツインターボパワーは、さすがのひと言。Mのこだわりだろう、トルクのノリは決して暴力的ではなく、自然吸気をそのまま二丁掛けしたような感覚である。七千回転以上まできっちり回った。現在望みうる、最高の直噴マルチシリンダーのターボエンジンの一つといっていい。

もっとも、V10エンジンのように、その回転フィールやパワーフィールの官能性にノックアウト、という事態には残念ながら至らなかった。その代わり、M社も苦渋の決断として、燃費を手に入れた、というわけか。

限界域での味つけは、ワイルド志向だった。リアがいとも簡単にブレークしようとする。けれども、車体のひき締まり具合と確かなステアリング反応のおかげで、慌てて対処する必要がない。もちろん、電子制御もほどよく手助けしてくれる。端的に言って、ドライビングファン徹底追究型のマシンだ。

CCブレーキは、意外にも当たりが柔らかく、コントロールしやすかった。もちろん、利きの方は十ニ分。

一般道ではM6カブリオレに試乗した。運転席はもちろんのこと、助手席でも乗り心地がいい。立派にプロムナードカーとしても通用しそうだ。クーペとは明らかにセッティングが違うし、オープン時のわずかな剛性低下もマイルドな乗り味を演出する。その反面、スポーツ+でその気になって走ると、やや足もとがバタついてしまった。

オープンエアで聞くV8ツインターボのサウンドは、相当に野太く、迫力があった。V10ほどエモーショナルではないにせよ、一聴に値する。おそらく、アメリカ市場を強く意識した音なのだろう。メルセデスAMGの考え方に、ちょっと似てきたとも思ったが・・・。

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唯一の懸念点は・・・

BMW M1(手前)

パフォーマンスの進化には、誰にも不満や文句はないだろう。クルマとしての完成度も確実に上がっている。よくできたスポーツカーなのだ。

けれども、あえて一つだけ注文をつけるとすれば、Mモデルらしい官能性の表現は、どこへ行ってしまったのだろうか?

Mならば、直噴ターボエンジンであろうと、八千回転くらいまで回してやるという意気込みを感じたい。650で十分、なんて陰口叩かれないためにも。

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西川 淳
筆者西川 淳

別名ボンジョルノ西川が示すとおり、大のイタリア好き。乗り手をワクワクさせる、刺激に満ちたクルマが好きなので、自然にイタリア車に接することが多い。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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