BMW M5試乗│いつの時代も驚きをもたらすハイパフォーマンスカー(2/2)

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モラルがある方、自制心が強い方にのって頂きたい

そして何よりも注目なのは、4輪駆動にした最大の要因である、最大出力600ps(441kw)・最大トルク750Nmを発揮するV型8気筒ツインターボエンジンの力を余すことなく路面に伝えることで実現できた、0−100km/h加速3.4秒の圧倒的な加速力だ。

しかも、その速さを圧倒的な安定感で包み込んでおり、緊張感を持たずに得られてしまうのが“ある意味”恐ろしい。ぜひ、モラルがある方、自制心が強い方にのって頂きたい。

ちなみに4輪駆動になったことで、実質的な速さを求めて低回転のトルクをふんだんに発揮するターボのセットアップを施したのだろう。今までのMモデルに乗り慣れている方は、若干高回転の伸びが甘くなったと思うだろう。それでもライバル勢に一切引けを取らない高回転領域での伸びや刺激を持っているので安心してほしい。

クーペのような旋回力

また、これらの話を聞くと直線番長的なクルマになったことを連想するかもしれないが、そうではない。その磨かれた加速力に一切引けを取らないレベルで、旋回力まで磨きが掛かっている。

それは5シリーズ自体のシャーシ&ボディが軽量と低重心で仕上がっているのに加えて、カーボンルーフを使ってさらに低重心にしたことが関係している。その旋回力や動きからはセダンであることを忘れるほどで、感覚的にはクーペのような感覚を抱く。

気持ちよさ・楽しさと危うさが背中合わせ

ちなみにこの4輪駆動、横滑り防止装置が弱まるので腕に覚えがある方だけにしたほうが良いが、後輪駆動をより強調する4輪駆動の4WDスポーツモード、そして完全に前輪を使わない後輪駆動(FR)にもできる。

段階的にそのフィーリングを簡単にいうと、前輪の接地感が少しずつ弱まるが、ハンドル操作への反応が鋭く洗練されていき、よく曲がるようになり、気持ち良さと楽しさが高まる。

もちろん危うさと背中合わせなのも事実。通常4WDモードでもカーブへの進入では後輪主体になり、出口では前輪駆動を積極的に使うなど、最も速く走れる制御がなされているので、個別調整するのはMモデル恒例のシフトタイミングや足回りの硬さ、ハンドルの重さやエンジンレスポンスだけにしておいたほうが良い。

“すごい時代”になった

何にせよ、ついこの間まで2シーターのスーパーカーでないと得られないようなこの速さを、大人4人が快適に優雅に移動でき、荷物も十分詰めて、何不自由なく日常の足として使えるフォーマルセダンが実現する。M5が出るたびに同じ発言で締めているが“すごい時代”になったものだ。

[レポート:五味康隆/Photo:茂呂幸正]

BMW M5の主要スペック

駆動方式

4WD

JC08モード燃費

9.4km/L(JC08モード)

価格(消費税込)

1703万円

全長

4965mm

全幅(車幅)

1905mm

全高(車高)

1480mm

車両重量

1950kg

乗車定員

5人

ホイールベース

2980mm

エンジン種類

V8 DOHC 32バルブ ツインターボ

排気量

4,394cc

最高出力

411kW(600ps)/6000rpm

最大トルク

750Nm(76.5kgm)/1800-5600rpm

トランスミッション

8段AT

燃料

無鉛プレミアムガソリン

タイヤサイズ

(前)275/35ZR20/(後)285/35ZR20(ピレリPゼロ)

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五味 康隆
筆者五味 康隆

自転車のトライアル競技で世界選手権に出場し、4輪レースへ転向。全日本F3選手権に4年間参戦した後、モータージャーナリストとしての執筆活動を開始。高い運転技術に裏付けされた評論と、表現の解り易さには定評がある。「持続可能な楽しく安全な交通社会への貢献」をモットーとし、積極的に各種安全運転スクールにおける講師を務めるなど、執筆活動を超えた分野にも関わる。また、環境分野への取り組みにも力を入れており、自身でハイブリッド車も所有。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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