BMW 新型M3・M4 海外試乗レポート/清水和夫(2/2)

BMW 新型M3・M4 海外試乗レポート/清水和夫
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ポルトガルのサーキットで開かれた新型M3/M4の国際試乗会は、アドレナリンが出まくりだ!

BMW 新型M3セダン

実際に試乗できたのは「新型M3」と「新型M4」だ。

その国際試乗会はポルトガルのサーキットで行われたが、日本からそのまま直行したわけではなくカリフォルニアで開催されたBMW i8の国際試乗会から回った。ロスから大西洋を飛び越えてポルトガルのリスボンに降り立ち、そこからレンタカーでBMW M3/M4の試乗会場までドライブしたのである。

のどかな田園風景を楽しみながら、明日から始まる最新M3/M4のサーキット・テストドライブが楽しめると、ニコニコしながら走った。

草食系の「i」、肉食系の「M」

(左)BMW 新型M3セダン/(右)BMW 新型M4クーペ
(左)BMW 新型M4クーペ/(右)BMW 新型M3セダン(左)BMW 新型M4クーペ/(右)BMW 新型M3セダン

ホテル前に集合した新型M3/M4は迫力満点だ。

今回からM3クーペをM4と呼ぶことになったので、セダンとクーペのMモデルが並んでいた。基本的なスペックはほぼ同じである。若干クーペスタイルのM4のほうが20kgほど軽いが、実際の走りではその差は感じられない。

そういえばBMW i8もスポーツカー、M3もスポーツカー。同じスポーツカーでも「i」と「M」は非なるもの。分かりやすく言えば草食系と肉食系である。今回の世界一周ツアーはまるでサラダを食べた後に血が滴るステーキにありついた気分だった。

新型はポルシェターボに匹敵するトルクを発生

BMW 新型M4クーペ

コクピットに乗り込み、スタートボタンを押してエンジンに火を入れる。その瞬間、自分のテンションも自然に高まった。

サーキットまで30分ほどドライブ。ポルトガルの西南端のファローという町は20年以上も前に4代目のBMW 5シリーズの試乗会で訪れたことがあった。当時は高速道路などなく荒れた路面が記憶に残るほどの異国であった。

しかし、今は違う。海外の投資のおかげで欧州でも指折りの高級リゾート地に変貌を遂げている最中だ。

BMW 新型M3セダンBMW 新型M3セダン

空いている高速道路でサスペンションの切り替えをチェックする。「スポーツモード」ではサスペンションは硬くなり、ステアリングはグッと重さを増すが、一般道路は「ノーマル」でOKだ。

エンジンはシルキー6の3リッターターボでパワーはV8の420psから431psに若干アップしているが、トルクはなんと400N・mから550N・mへと大きく性能アップしている。しかもツインターボなので、高回転までストレスなく吹け上がるターボは実にゴキゲンだ。

このトルクはポルシェターボに匹敵するが、ポルシェはリヤエンジン+四駆でエンジンのトルクを無駄なく路面に伝えることができるが、M3は潔いFRで勝負する。だが、完成度が高いトラクションコントロールと横すべり防止装置のお陰で、最低限のスタビリティと操縦性は確保しているから中級者でも安心だ。

ギア・ポックスは7速DCTで、自動ブリッピングを備えた6速MTもオプションで用意されている。

車体はBMWお得意のカーボンを適材適所に使い約80kgの軽量化に成功し、M4では1.5トンを切ったモデルもある。タイヤはミシュランのM3/M4専用タイヤを履き、サーキットの連続周回に耐えることができる。

新型M3/M4のサーキット走行は、アドレナリンに溺れてしまうほどに痛快

BMW 新型M3セダン
BMW 新型M4クーペBMW 新型M3セダン

そのサーキットの走りはどうなのか。

それはもうアドレナリンが出まくるシーンが連続した。電子制御LSDのおかげでターンインはリヤデフがフリーとなるので、ノーズはグイグイとインを向く。フロントエンジンとは思えないほどステアリングのレスポンスが高い。

カミソリのようなハンドリングが戻ってきたことに感激しながらラップを続けた。新型M3はただテールが流れてドリフトするのではなく、確実にクルマを前に押している。そこが先代モデルとは大きな違いだ。

オプションのカーボンセラミックブレーキの利きと耐久性も確認できたし、アドレナリンにおぼれて死んでもいいとさえ思ってしまうほどサーキットは楽しかった。

公道の乗り味はどうやって制限速度を守ればいいのか、困るほどアクセルを踏むのが愉しい。でも「能ある鷹は爪隠す」というようにM3ドライバーは紳士的であるべきだ。

アドレナリンはサーキットで味わってほしい。

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清水 和夫
筆者清水 和夫

1954年生まれ。1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースで活躍する一方、モータージャーナリストとして、自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。近年注目の集まる次世代自動車には独自の視点を展開し自動車国際産業論に精通する。一方、スポーツカーや安全運転のインストラクター業もこなす異色な活動を行っている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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