BMW 5シリーズグランツーリズモ 試乗レポート/西川淳(1/3)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:BMW Japan/オートックワン編集部
7シリーズがベースとなっている「5シリーズGT」
パワートレインとシャシーという“走り”の基本パッケージが固定されていれば、あとは「そこにどんなスタイルをかぶせるか」が商品企画の肝となる。
可能な限り平べったいスポーツスタイルから、できるだけ背の高いボックススタイルまで。
現代のクルマは、まるでミルフィーユのようにその高低間を一寸刻みで変化させることで、“多様化”や“差別化”というキーワードに応えてきたのだと思う。
BMWからまた新しい“高さ”の新型車が登場した。その名も“グランツーリズモ”。
正式には5シリーズグランツーリズモで、あたかも既存の5シリーズ派生モデルのように思えるが、実質的には7シリーズがベースだ。それが証拠にボディサイズをみてみれば、全長は5mにもおよび、車重は2トン以上、ホイールベースに至っては7シリーズショートと同じ3.07mという巨漢ぶり。
いちおうBMWの伝統に従って、日本導入モデルは535iおよび550iと名乗ってはいるものの、それぞれの価格設定も含め、どう見ても5シリーズベースとは思えない。
BMWとしてもこのクルマを単に“BMW グランツーリズモと呼んで欲しい”のだそう。ありそうでなかった新しいカタチのサルーン。ミニバンやSUV寄りではなく、セダンよりのクロスオーバーカー。そして走りはBMWらしく。そういう提案だ。
次世代の3シリーズや5シリーズの主力となるであろう新しい直噴ストレート6+シングルターボのエンジンや、7シリーズ(6AT)登場時に不満とされたミッションの多段化(8AT)にも注目しておきたい。
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