BMW 4シリーズ グランクーペ 試乗レポート|初のマイナーチェンジでさらにスタイリッシュに(2/2)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
4シリーズの中で唯一「xDrive」を用意する420i
4シリーズ グランクーペには大別して、最高出力184ps、最大トルク270Nmの2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを積む「420i」と、252ps、350Nmを発生する同じ2.0 リッター4気筒の高性能版「430i」、326ps、450Nmの3.0リッター直列6気筒ターボエンジンを搭載する「440i」という3モデルがある。
また、「420i」のみだが、4WDの「xDrive」が用意されているのも、グランクーペの特徴だ。 今回ドライブしたのは、まさしくその「420i xDrive」のM Sportだ。
高効率8速ATとの組み合わせで、いたって乗りやすく、動力性能にはまったく不満なし。低回転から力強く、トップエンドまで気持ちよくスムーズに吹け上がる。エントリーの420iでもそうなのだから、上のモデルを選べばさらに大きなドライビングプレジャーを与えてくれることに違いない。
xDrive は、各種センサーが路面状況を常にモニタリングし、危機的状況を察知すると前後のトルクを可変配分して最適なトラクションの確保を図るので、今回の試乗は良好なコンディションに恵まれたが、路面の条件が悪くなるほど、より安全で安心感のある走りを提供してくれることが期待できる。
ハンドリングはスポーツカー。それでいて快適性は高級サルーンなみ!
4シリーズは、BMWらしい約50:50の理想的な前後重量配分はもとより、3シリーズに比べ軽量化と低重心、ワイドトレッド化を図ったほか、フロントアクスルにトーションバーを追加し剛性を高めたり、4シリーズ専用にチューニングしたサスペンションを装着するなどして、より高い次元のドライビングダイナミクスを実現している。
実際に新型4シリーズ グランクーペをドライブしても、俊敏でダイレクト感のあるハンドリングはスポーツカーそのもの。それでいて快適性は高級サルーンなみ。乗り心地もよく、操縦安定性もハイレベル。極めて洗練された走りを身に着けている。
そんなスタイリッシュさと走りのよさに加えて、4つのドアとハッチゲートによる機能性の高さもまた、グランクーペならでは。後席の居住空間は3シリーズセダンほどの余裕はないにせよ、平均的な成人男性の体格である筆者が座っても、頭上のクリアランスは確保される。
大きな開口部を誇るハッチゲートは、もちろん今どきのクルマらしく「オートマチック・テール・ゲート・オペレーション」を備える。荷室容量はリアシートを立てた状態で3シリーズ セダンと同じ480リッターで、フルに前倒しすると3シリーズ ツーリングに迫る1300リッターまで拡大できる。十分すぎる広さが確保されている。
とにかく3シリーズ セダンだってかなりスタイリッシュだが、4シリーズ グランクーペはもっとスタイリッシュ。要するになによりもそこにつきると今回あらためて思ったわけだが、そんな4シリーズ グランクーペが、さらに魅力的に進化したことを歓迎したいと思う。
[レポート:岡本幸一郎/Photo:茂呂幸正]
BMW 420i xDrive Gran Coupe M Sport 主要諸元
主要諸元 | BMW 420i xDrive Gran Coupe M Sport |
---|---|
価格 (消費税込み) | 6,530,000円 |
JC08モード燃費 | 14.9km/L |
全長 | 4,670mm |
全幅(車幅) | 1,825mm |
全高(車高) | 1,410mm |
ホイールベース | 2,810mm |
乗車定員 | 5名 |
車両重量(車重) | 1,700kg |
エンジン | 直列4気筒DOHC |
排気量 | 1,998cc |
トランスミッション | 電子油圧制御式8速AT |
エンジン最大出力 | 184PS(135kw)/5,000rpm |
エンジン最大トルク | 270Nm(27.5kgm)/1,350-4,600rpm |
この記事にコメントする