【DESIGNER’S ROOM】BMW 3シリーズ グランツーリスモ デザイナーインタビュー/ドイツ・BMW AG 永島譲二(2/4)

  • 筆者: 森口 将之
  • カメラマン:島村栄二/BMW AG/オートックワン編集部
【DESIGNER’S ROOM】BMW 3シリーズ グランツーリスモ デザイナーインタビュー/ドイツ・BMW AG 永島譲二
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セダンの運動性とワゴンの機能性、そしてスポーティな外観を兼ね備える

BMW 3シリーズグランツーリスモ

AO:今回発表された3シリーズGTは、どのような位置づけなのでしょう。

N:セダンの運動性とツーリングの機能性を高い次元で両立したうえで、スポーティな外観に仕立てようと考えました。たとえば後席の足元の空間は7シリーズに近くなっています。クリス・バングルがデザイン部門のトップを務めていた時期は、BMWのデザイン全体がイノベーティブ志向だったのですが、今はアイデンティティを再確立する時期としているので、このクルマも個性を強調するより、全体のハーモニーを重視しました。

5ドアの機能性にBMWらしさを加味

【DESIGNER’S ROOM】BMW 3シリーズ グランツーリスモ デザイナーインタビュー

AO:5ドアのファストバックというボディ形状を選んだ理由は。

N:ファストバックのパッケージングはすでにできあがっていました。でもそれは機能優先という雰囲気だったので、デザイナーの目線で、スポーティにしていくというリファインをしたのです。

そもそもファストバックというのは、クーペみたいなシルエットで、スポーティさの分かりやすい表現だと思っていました。BMWにとっては経験の少ないスタイリングですが、セダンじゃないクルマが欲しい、でもクーペは狭いし、SUVやワゴンは好きではないというユーザーはいるので、そういう人たちに向けて作り上げました。

5シリーズグランツーリスモとの違いとは

BMW 3シリーズグランツーリスモ

AO:他のブランドが出している5ドアと比べると背が高めですが。

N:ルーフを81㎜、フロントシートの着座位置は56㎜、それぞれセダンから上げています。シートの高さは「X1」とほぼ同じです。他の5ドアにはない、新しい考え方だと思います。ただし実際に絵を描き始める前に、パッケージングなどの部署と交渉して、相手が考えていた高さより少し低く、なだらかなラインが描けるようにはしてもらいました。

AO:GTとしてはすでに5シリーズがありますが、共通部分はどこでしょうか。

N:5ドアのファストバックであることと、囲まれ感のあるインテリアとしたことです。

ホイールベースがセダンより長いことも共通しています。3シリーズGTの場合は、中国向けのストレッチセダンと同じホイールベースとしています。

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AO:逆に5シリーズGTから変えた部分は。

N:最大限のスペースを追求することを重視した5シリーズGTに対して、もっとスポーティな要素をプラスしたことです。たとえばリアウインドー上端は、5シリーズGTではボディ同色のリアスポイラーを装着してルーフを長く見せていますが、3シリーズGTではガラス面としています。自分自身は少し違うジャンルのクルマだと思っています。

【DESIGNER’S ROOM】BMW 3シリーズ グランツーリスモ デザイナーインタビュー

AO:フロントマスクはセダンに似たイメージですね。

N:ヘッドランプをキドニーグリルにつなげた造形は共通です。バンパー下の薄くて広いオープニングもセダンに近い処理です。ヘッドランプ端から立ち上がったラインが、サイドウインドーの下に伸びているところも同じです。ただ背が高いので、全体的に厚くなっています。歩行者保護を考えたとき、GTはフロントフード内のクリアランスに余裕があるおかげで、ノーズ先端をセダンほど落とさずに済みました。

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AO:ボディサイドではやはり、フロントフェンダー後方に加えられたエアアウトレットに目が行きます。

N:これはエアブリーザーと呼んでいて、空気抵抗を減らすための処理です。フロントバンパー脇のインテークと合わせて、ホイールハウス内の空気の流れを整えているのです。ただ空力を良くするだけでなく、それを見せる効果も持たせました。もともとBMWはこの面に強みを持つメーカーではなかったので、積極的にアピールするようにしたのです。もちろんそれ以外に、ボディの厚みが増したので、エアブリーザーを入れることで引き締めたという意味もあります。

[次ページへ続く]

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森口 将之
筆者森口 将之

1962年東京都生まれ。モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。自動車専門誌の編集部を経て1993年フリーに。各種雑誌、インターネット、ラジオなどのメディアで活動。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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