BMWの王道・本流「3シリーズ」がマイナーチェンジ/BMW 新型 3シリーズ セダン/ツーリング 試乗レポート(4/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正・和田清志・ビーエムダブリュー
後輪駆動のスポーティなセダンといえば「3シリーズ」・・・では通用しない時代になってきた!?
BMW 3シリーズの特徴は、320i xドライブ ツーリング スポーツも含めて、運転の楽しさと走行安定性を上手に調和させていることだ。運転の仕方によっては機敏に向きを変えるが、4輪の接地性が高く挙動を乱しにくい。
ただし最近はライバルの「メルセデス・ベンツ Cクラス」も、以前に比べると操舵感が機敏な方向に発展してきた。リラックス感覚が特徴だった「アウディ A4」も、フルモデルチェンジを受けた新型のセダンでは操舵感が正確性を高めている。日本車を含めて、さまざまなクルマが進化を続けた結果、走行性能や乗り心地がひとつの方向性に集約されつつある。
またBMWでは「X1」が前輪駆動になり、ショーモデルとして披露された「コンセプト・コンパクト・セダン」も同様だ。BMWも小さなサイズはミニと基本部分を共通化して前輪駆動化され、従来に比べると駆動方式の個性が薄れる。
となればBMWに限らず、これからがブランド構築の正念場だろう。
さらに加速する「ブランド性」の重要度
商品の特徴が明確な段階では、消費者はブランドよりも機能に基づいて選する。「後輪駆動のスポーティーなセダンが欲しいからBMW 3シリーズ」という具合で、ブランド以前にメカニズムなど商品の内容で選ぶ。
ところが均質化が進むとブランドが重要になる。実際、ブランドで選ばれる商品の多くは、衣類やバッグといったファッション、調度品などで、機能は均質化されている。そしてブランドを決める要素は、デザイン、肌触りなど、言葉で表現したり数値化の難しい使い心地だ。
輸入車の場合、今までは関心の対象が走行性能と運転感覚に集約されていたが、今後はもっと多様化するだろう。数値化できる機能を超えた価値が重要になる。本当のブランド力が問われることで、新しい選ぶ楽しさも生まれてくるに違いない。
[レポート:渡辺陽一郎/Photo:茂呂幸正・和田清志・ビーエムダブリュー]
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BMW 新型 3シリーズ「340i M Sport」[FR] 主要諸元
全長x全幅x全高:4645x1800x1430mm/ホイールベース:2810mm/車両重量:1660kg/乗車定員:5名/駆動方式:後輪駆動(FR)/エンジン種類:直列6気筒 DOHC ツインパワー・ターボ・ガソリン直噴エンジン/最高出力:326ps(240kW)/5500rpm/最大トルク:45.9kg-m(450N・m)/1380-5000rpm/トランスミッション:ステップトロニック付 8速スポーツオートマチックトランスミッション/燃料消費率:13.5km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:(前)225/45R18(後)255/40R18/メーカー希望小売価格:7,760,000円[消費税込み]
※試乗・撮影車にはメタリック色「メルボルン・レッド」(82,000円)/「BMWコネクテッド・ドライブ・プレミアム」(61,000円)/「パーキング・サポート・パッケージ」(113,000円)/「ファスト・トラック・パッケージ」[アダプティブMサスペンション/Mスポーツ・ブレーキ/19インチMライト・アロイ・ホイール・ダブルスポーク・スタイリング442Mバイカラー(フェリック・グレー)/(フロント)8Jx19ホイール+225/40R19タイヤ(リア)8.5Jx19ホイール+255/35R19タイヤ(ランフラットタイヤ)](280,000円)/「アドバンスド・アクティブ・セーフティ・パッケージ」(160,000円)等のオプションを装着。
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