レクサス 新型IS vs BMW 320d どっちが買い!?徹底比較(2/3)

レクサス 新型IS vs BMW 320d どっちが買い!?徹底比較
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【レクサス 新型IS vs BMW 320d ~“動力性能”徹底比較~】

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次はライバル車の選定だが、ISはもともとレクサスのスポーティーモデルとして企画された。新型はボディ剛性を高め、プロトタイプ(試作車)を試乗すると、操舵に対する反応も小さな舵角から正確になっていた。この点はレクサスではCT200hからアピールされていたが、GSを経てISにも受け継がれている。

となればライバル車の筆頭はBMWの3シリーズだろう。後輪駆動のレイアウトも共通で、メルセデスベンツCクラスに比べると、車両の性格としてスポーティー指向が強い。

グレードはISがハイブリッドだから、3シリーズは2リッターのクリーンディーゼルターボを搭載する320dブルーパフォーマンスを選ぶ。車両価格は470万円なので、IS300hの480万円に近い。

320dのボディサイズは全長が4625mm、全幅が1800mm、全高が1440mmだから、IS300hに比べて40mm短く、10mm狭く、10mm高い。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2810mmだから、ISより10mm長いだけ。両車はほぼ同じ大きさだ。

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320dのエンジン性能は、最高出力が184馬力(4000回転)、最大トルクが38.7kg-m(1750~2750回転)。クリーンディーゼルターボとあって最高出力の数値は高くないが、最大トルクは新型IS350と同じ値になる。ディーゼルの特徴はマツダCX-5などと共通だ。

両車の動力性能を比べると、実用回転域は320dが圧倒的に力強い。トルクの違いを踏まえれば当然で、320dは軽くアクセルを踏むだけで十分な加速力が得られる。高回転域の吹き上がりはディーゼルの不得意な分野だが、8速ATのメリットが発揮されて意外に高回転域を保ちやすい。しかもATをDレンジに入れてフル加速を試すと、最高出力の発生域を超える5000回転少々でシフトアップ。イザという時の引っ張りも利いて、ディーゼルの欠点を補っている。

一方、IS300hは幅広い回転域にわたって動力性能が大人しい。実用面での不足は感じないが、登坂路ではアクセルを深く踏む。スポーティーなプレミアムブランドとしては、もう少しパワーが欲しい。

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その代わり回転感覚は滑らか。登坂路ではノイズが少し高まるが、市街地では静粛性も満足できる。

この点は320dが最も苦手なところで、ノイズはいかにもディーゼル。アイドリングストップが装着されるから信号待ちの騒音は心配ないが、2500回転以下の巡航時にも相応に響く。90年代までのディーゼルを知っている世代は、「こんなモンでしょう」と納得するが、知らないユーザーが運転すれば驚くこともありそう。マツダのディーゼルと比較しても、320dはかなり騒々しい。

もっとも、旧来のスポーティーセダンが持つ価値観でとらえれば、エンジン回転の上昇に連れて動力性能が高まる内燃機関の回転感覚を含めて、320dが魅力的。一方、静かで滑らかな馴染みやすい運転感覚を求めるなら、IS300hに好感を持つユーザーも多いと思う。

【レクサス 新型IS vs BMW 320d ~“走行安定性と乗り心地”徹底比較~】

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走行安定性と乗り心地のバランスは、プロトタイプの試乗で見る限り、IS300hはタイヤの選択に難しい面がある。標準装着される17インチタイヤ(前後ともに225/45R17)は、乗り心地は良いが、後輪の接地性が少し不満。18インチ(前輪:225/40R18・後輪:255/35R18)は、サイズの違いからも分かるように後輪の接地性は大幅に高まるが、乗り心地が硬めになる。回頭性も少し滑らかさが欠ける。

結局、ISでバランスが良いと思ったのは300h・Fスポーツ。IS350のFスポーツと違ってギヤ比を可変式にしたステアリングや後輪操舵は備わらず、タイヤはサイズ、銘柄(ブリヂストン・トランザER33)ともに前述の18インチと同じだが、乗り心地が柔軟で走行安定性も高まる。AVS(電子制御式ショックアブソーバー)が巡航時の減衰力を適度に低く抑えることも奏効している。なので厳密なISの推奨グレードは300h・Fスポーツだが、価格が58万円高い538万円になるのが辛い。

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このAVSは上級のバージョンLではオプション装着できるが、480万円の標準仕様には付けられない。オプション設定を拡大して欲しい。

対する320dも、乗り心地は硬めだ。ただし、路面の情報として、振動を意図的に伝えていることも事実。路面の上でタイヤが跳ねることなく、しっかりと接地させながら、足まわりの上下動は伝えてくる。重厚感があって不快には感じない。

操舵感はIS300hも正確性を高めたが、320dはさらにダイレクト感が高く、なおかつ過敏になるのは抑えた。路面からの情報伝達も明確。「運転していること」がドライバーに強く意識され、リラックス感覚を削ぐ面はあるが、積極的に安全に走る上ではメリットが多い。このあたりは新型ISのねらいとも合致していて、今後のISはさらに3シリーズに近づくと思う。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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