BMW 3シリーズ 試乗レポート(竹岡圭)

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:原田淳
BMW 3シリーズ 試乗レポート(竹岡圭)
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躍動感と親近感が上手くバランスされたデザイン

「今度の3シリーズ、ずいぶん大きくなったらしいよ。全幅1815mmもあるんだって」というウワサが流れてきたとき、正直なところ「そんなに大きいんじゃ、日本でやっていけるのかしらん…」と思ってしまった。その先入観を持ったまんま出会ったものだから、初対面のときは確かに大きいナァと思ったのは事実である。

ところが、コレがイザ乗り込むと印象が一変。運転席に座ってしまうと、あまり大きさを感じないのだ。自分の体に対する感覚的に、先代の3シリーズより、若干大きいかな?という程度に収まっているのだ。実際すこぶる小回りも効くし、取りまわし的には、な~んの問題もナシ。これなら十分に狭い日本の道路でもやっていけそうである。

さらにデザインも、獰猛な動物的でちょっと取っ付きにくさがあった5シリーズと比べると、適度な躍動感と親近感が上手くバランスされているような感じで、直感的に好みのタイプという感じ。女性には結構ウケそうと見た。

BMWらしいインテリアだけれど、それほどいかつさもなく、フレンドリーな感じがするのは好印象。i-driveのダイヤルなども小さめなので、私の手にはしっくりくる感じがする。適度なカジュアル感が、借り物感を感じさせなくてちょうどイイのである。

しかしひとつだけ、残念なところも。実は先代の3シリーズは、世界のクルマの中で比べてもシートの調整幅がかなり余裕があるクルマだったのだ。大抵のクルマで、シートリフターを1番上まで上げて、チルトステアリングを1番下まで下げてちょうどいいという私の体格を持ってしても、調整幅が余ってしまうくらいだったのである。

ところが今度の3シリーズは、あと1段階上まで上がって、下まで下がってくれるとちょうどイイという感じなのだ。最近の輸入車は、シートリフターが上がるのはいいけれど、1番上まで上げてしまうと床にかかとを付けてペダルが踏めないなんていうものもある中で、ドライビングポジションバッチリなのがBMWの美点のひとつだと思っているので、ここは是非改善して欲しいポイントだ。

ひと言で言ってしまうと、今度の3シリーズはすっごくイイ! カッチリしたボディもさることながら、絶賛したいのは足回り&ハンドリングだ。

乗り心地をまったく犠牲にすることなく、驚くほどシャープな運動性能で、意のままに操れるどころか、狙ったとおりのラインを、オンザレール感覚で駆け抜けていってくれちゃうのである。乗せられてしまっている感もまったくなく、自分で操っている感の手ごたえがあるので、走らせていて楽しいのだ。

さらに、330iのほうはアクティブステアリングの制御も一段と進化し、イザというときのサポートも、自然に介入してくれるようになっている。エンジンは4気筒の320iも、高回転域までさらに気持ちよく回るようになり、躍動感みなぎってますといった感じ。サウンド的には直列6気筒のほうがさすがに上だし、当然のことながら余力感もあるが、320iでもカッタルさはまったくなく、ワインディングに持っていっても、十分に楽しめる性能は持っている。される。

320iの方が気持ちいいところは、静粛性だ。330iは扁平タイヤのせいか、ロードノイズや振動が320iよりは入ってくる。不快なほどではないが、あえて比べるならば、この点は320iのほうに軍配が上がる。

330iのほうが気持ちのいいところというと、まずはエンジン、そして足回りだろう。320iでも十分なしなやかさとスポーティさはあるのだが、330iは誤解を恐れずに言えば5シリーズじゃなくてもイイジャンと、言ってしまいたくなるくらいのバランスのよさなのである。加えてステアフィールも330iの方が敏感なので、スポーティに駆け回りたいならば、330iの方がピッタリくるかもしれない。

しかし、リラックスして高速をクルージングする、ストップ&ゴーを繰り返す街中でチョコチョコ走り回るなどといった使い方がメインになるならば、適度な懐の深い曖昧さを持った320iのほうが使いやすいと言えるかもしれない。どちらを選んでも、走ることが楽しくなる性能を持っているのは間違いナシだ。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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